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ウワサは疑え

誰かのウワサを聞いたなら、そいつが本当なのかどうか、一度は疑ったほうがいい。それが誰かを守ることにもつながるから。

ウワサってものは実のところ、ぜんぜん当てにならない。
「田中が西原さんのこと好きらしいぞ」
「山下先生は家でネコを100匹かってるらしい」
「夜中の二時にカガミを見ると悪魔が飛んでくるそうだ」

こんな具合に、基本的になんでもあり。責任なんて誰も取らない。だって、自分が言い出したわけじゃないから。誰かの話を聞いて、それを右から左に流してるだけ。気軽に何でもペラペラと。それが本当かウソかなんて気にしない。盛り上がればOK。だが本当にそれでいいんだろうか?

ネコ100匹なんてのはいかにもウソくさいし、それがウソでも本当でも誰もこまらないだろう。
夜中の二時におそるおそるカガミを見たヤツだって、次の日に無意味な寝不足で苦しむだけですむ。

だけど中には誰かをキズつけるウワサもある。
西原さんのことなんて好きでも何でもないのに、ある日とつぜん女子たちに囲まれる田中。西原さんをかばうように立ちふさがった吉田さんが、田中を指さしてほえる。
「なんであんたがミカのこと好きとか言ってるわけ? ミカこわがってんじゃん! 今度から近づかないでよね」
なぜか西原さんの友人たちから攻撃される田中。好きなんて言ったことないのに。そもそもべつに好きじゃないのに。

そんなわけで田中も西原さんもキズついてしまったよな。悲しい事件だ。

もちろんウソのウワサを流したヤツが一番悪いんだけど、きっとキミはそんなくだらないウソをついたりしないよな。
だけど、ウワサを信じてそれを誰かに話してしまうことはあるかもしれない。
そんなときに、「ちょっと待てよ」と踏みとどまってほしい。

てことで今日のテーマ。
【考えるのをサボると、誰かをキズ付けることもある】

最近、デマに流されたヤツらのせいでトイレットペーパーや生理用品が店の棚から消えた。ウチのトイレからもそろそろトイレットペーパーが消えそうだ。
きっとみんな悪いことをしてるつもりなんかない。ただなんとなく怖くなって、いつもより多く買っておこうって思っただけだろう。
そこに想像力があれば、自分のせいで他の誰かが困ってしまうことにも気づけたはずだ。
そしてウワサが本当かどうか、しっかり裏をとっていれば、あわてる必要もなかったはずだ。
裏を取るってのは、それが本当のことかどうか、ちゃんと調べて証拠を見つけるってこと。刑事ドラマなんかでよく使われる言葉だな。

善良な市民が、考えることをサボったために、多くの人に迷惑をかけてしまうこともある。悪気があってもなくっても、誰かを苦しめていることに変わりはない。
キミはそんな大人にならないように、しっかり自分のアタマで考えるクセをつけてくれ。知らないうちに誰かをキズつけるなんて、そんなダサいこと誰だってしたくないもんな。

ちなみに田中が本当に好きだったのは、吉田さんだ。かわいそうな田中!

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