赤い蝋燭と人魚

#『赤い蝋燭と人魚』

酒井駒子さんの絵がだいすきです。

この『赤い蝋燭と人魚』は
大正10年に発表された小川未明氏の童話に
酒井さんが絵をつけています。

人魚姫といえば悲劇が想像されると思いますが、
こんなにも哀しい人魚がいたでしょうか。
誰にも愛されず、夢を見ることもできずに
消えていく北の冷たい海の人魚。

『よるくま』 に代表されるかわいい絵本とは裏腹な
暗闇の中に灯る蝋燭の光がゆらめくこの本は
大人のための絵本といってもいいでしょう。

酒井さんは芸大の油絵科出身で
和物を中心としたテキスタイルデザインをされていたとか。
彼女の作品の中でも特に幻想的な絵です。
油絵のキャンバスのようで、赤が色んな感情を導き出す。


いつか自分の本を作ってみたい。という夢があります。 形にしてどこかに置いてみたくなりました。 檸檬じゃなく、齧りかけの角砂糖みたいに。