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ヤブ医者と毒親と私

精神状態が本当に深刻だった時期に、無理矢理精神病院に連れていかれたことがある。
私の両親は離婚していて、実家が2軒ある状態で、当時の夫にDVを受けてメンタルがかなりマズイ状態だった私が最初に身を寄せたのが父方だったのだ。
自傷や妄想、退行が起こっていて、異常だという自覚はあれども、なんの刺激も受けなければ徐々に良くなるというのも経験からわかっていたから、自室からトイレの往復しかしていなかった。
ただそんな私の姿を父が見たのは初めてで、どうにか元に戻したいと思って近場の中規模な精神病院を受診することになった。
ちなみにこの時精神病歴10年目。

で、まあ外見も内装も普通の総合病院で、ただ、初診なのに問診票もなくて、お待ちくださいねと受付の人に言われただけで、知らない場所でメンタルヘルスに理解のない父と2時間待たねばならないのは不安だった。精神病院が患者を不安にしてどうする。

診察室に入って、30代後半くらいの白衣の医師が座っていて
「どうなさいました?」
と訊いてきたので、どこから説明したら良いかと口ごもっていたら、父が即座に
「この子をマトモにして下さい」
って言った。いや、マトモじゃないのは自分でもわかってるんだよだけど最良の方法を自分なりに取ってるだけでさあなんだかなあ、と思ったんだけれど当時思考と言葉の乖離が激しく、沈黙しかできず。
で、医師が私に向かって今までの病歴、投薬歴、通院歴など聞かれ答えたら、
「病気ではなく人格障害」
とされたのにもびっくりした。
それまで幾つかの病名はついたことがあるけど人格障害?え、そっち?

精神病のことを何も知らない父、そこで顔色が変わる。
そりゃ、知識のない状態ど病気ではなく人格の問題と言われたらそうなるわな。
「娘の人格に問題があるっていうのか!」
「そうです、だから薬や治療で治せません」
(あなたもあなたでそれ、断言していいの?と心の中でツッコミを入れた)
「お前それでも医者か?」
「疑うんですか?ここに証明がありますから!」
とポケットから手帳らしきものを取り出して掲げて
「ほら!私の一存で入院だってできる!」
そうやって私そっちのけで掴み合いせんばかりの怒鳴り合いを始めた時、何故自分がここにいるのかわからなくなったし、誰が一番マトモな分からなくなったよね。

で、その後どうなったかいうと

DVやってる夫のもとに返されました。

うちでは面倒見られないから、ここまでマトモじゃなくした君が責任取って治さなきゃとかなんとか説教を置き土産にして。
その後はまあ、はい、お察し下さい。


私、今、とっても幸せなんだなあ…

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