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珍生物として

 特に意味もなくヘンテコな絵を描いて、それを主題にヘンテコな文章を書いてみる遊び~~~

 私はむっちんと呼ばれている。一説によるとツチノコの一種らしいが、私は個人的にあいつが気に食わないので、その説は支持できない。
 私がどこから生まれたのかは定かではない。ある哲学者が言うには、私は土から生えてきたらしい。自然発生した、とのこと。生物の自然発生説はずいぶん昔に否定されたはずだと私が指摘すると、その哲学者は「確かに」と言いながら悩みこんでしまったので、真相は闇の中だ。そういえば、その哲学者は悩みながらブツブツとこんなことを言っていた。「いやしかし、私は確かにこの生き物が土から自然と湧き出てくるのを見たのだ。しかしそれが私の幻覚であったことも否定できない。いや、しかしそれを幻覚だと仮定するならば、私の目の前にいるこの生物自体も幻覚であると考える方が理に適っている。厳格に考えて」
 もしかしたら、彼のブツブツの中に私の出生にまつわる重大なヒントが隠されているのかもしれないけれど、私の脳みそは脳科学者によるとプリンでできているらしいので、プリンにそんな難しいことを考えさせるのは虐待に当たるので、やめておくことにする。私の住んでいる『むっちん帝国』では、プリンに対する虐待は禁固五百万年の刑なので、気をつけないといけない。もっとも、帝国では、現人神であらせられるメロンアイス陛下に懺悔を行えば一千万年分の禁固刑が減刑となるので、差し引き五百万年分の自由が与えられるのだけれど、確か別の哲学者が私たちは自由の刑に処されうんぬんって言ってたので、やっぱり許されたら許されたで罪になっちゃうんだと思うと、いろいろ大変だなぁと、あぁ! 洗濯物干し忘れた!

 なぜ私のほっぺたがこんなに伸びているか、疑問に感じている聡明な諸君もいるかもしれない。私のほっぺたは、いうなれば触覚であり、手でもあるのだ。見ての通り私には手がなく、髪もあまりしっかりしてなくて、引きずって歩いているので、やっぱり何かを持ちたいときとか、字を書きたいときとかは、このほっぺたでなんとかしているんだ。ほっぺたというのは便利なもので、やわらかくて、かわいくて、油断するとすぐニキビができちゃうけど、ちゃんと丁寧にスキンケアを怠らなかったら、必ず、かわいい! え? 手もないのにどうやってスキンケアするんだって? さっき言ったじゃん。人間が手を使うところで、私はほっぺたを使う。ほっぺたで、顔全体の美しさを保つのです!

 飽きたから終わり~~




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