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拝啓、2年前の私へ 第8回(副将 武藤充希)

今回の部員日記は、経済学部3年武藤充希が担当させていただきます。

先週の金曜日から始まった、「もし2年前に戻ったら何をする?」をテーマにしたシリーズの第8回です。

私が今考えていることを思うままに書き連ねていきますので、伝わりにくい部分があるかと思いますが何か少しでも後輩達が今後の自分の活動へのヒントとなるものを感じてくれれば幸いです。

早速ですが、2年前の私へ。伝えたいことは二つあります。まず1つは、「素直に吸収するばかりではだめ。自ら決断して。その決断にプライドを持って。」もう1つは「テニスは単なるゲーム。ミスと正しく向き合って。」この2つです。


自ら決断して。その決断にプライドを持って。

今まで決断してこなかったというわけではありません。体育会への入部を決めたことはもちろん、先輩方からいただいたアドバイスの中で自分に合いそうなものを選んで練習に取り入れてきました。しかし、私はいろいろな方からのアドバイスの中でどれかを選ぶ時、その選択に覚悟を持つことをしていませんでした。

大学1年生の頃は、当時の主将の中川さんにボールを打つ時の「テンポが遅い」というご指摘を受けてから、「テンポを上げるにはどうすればいいだろう」と考えて練習しました。しかし、部内戦を何度かやっていくうちに毎回同じテンポを上げて打っていたことで相手にタイミングを合わせられて負けるパターンが増えてきました。そんな時2つ上の先輩の櫻井さんに「毎回同じではだめ」というアドバイスをいただいたのですが、当時の私は「テンポを上げろと言われたから上げたのに上げてもダメなら結局何が正解なんだろう」となんだかよく分からなくなって混乱していました。

私は何のためにテンポを上げるのか考えていなかったのです。自分よりも強く結果も残している先輩からのアドバイスに対して素直に吸収することばかりが良いことだと思うあまり、自分で考えることをしていませんでした。「テンポを上げられるようにしよう」という自分の決断に責任が足りていませんでした。なんとなく、強い先輩が仰るならそれをやれば強くなれるだろうと楽観的に考え、責任を先輩側に押し付ける形となっていました。

今は後輩が出来て自分が後輩にアドバイスする場面も増えてきました。アドバイスする側になって初めて見えてくるのですが、アドバイスは1から10まで攻略本のように教えられるわけではありません。あくまでも成長のヒントとなるようなものを教えて、実際に成長するかどうかはアドバイスを上手く活用できるか次第だと気づきました。後輩達には自分で考えることをやめないで欲しいなと思います。自分でなぜその練習をするのかを100%自分で決断し、新しいアドバイスをもらったらまた自分で考える。時には抱えきれないくらい沢山のアドバイスを同時にもらって、どれを選べばいいか分からなくなる時があるかと思います。そんな時は自分の一番好きなものを選んで、他のアドバイスはきっぱり捨てるのが良いのかなと思います。

このように自分の成長に対してプライドを持っていなかったなーっと思う一方で、勝ちたい気持ちが強くなりすぎて等身大の自分を受け入れられず「こんなはずじゃない」と思ってしまうときもあったなーっと振り返ります。


テニスは単なるゲーム。ミスと正しく向き合って。

プロテニスプレイヤーのラファエルナダル選手が、「テニスは単なるゲームだ。勝ったって、負けたって人生が終わるわけじゃない。」と言ったらしいです。

私は今まで自分のミスに対して切り替えることが苦手でした。「あれだけ練習したのに、こんなはずじゃない。」試合だけでなく練習でも自分のミスにイライラしてしまうことが何度もありました。大学3年生の夏にナダル選手のこの言葉に出会って何か胸の奥にあるものがスーッと消えていくように感じました。

それからはテニスを「ゲーム」として強く意識するようになり、相手のことをよく分析して自分のミスを客観的に捉え試合を組み立てることに目を向けるようになりました。ミスをしたならば、起きてしまったことは仕方なくてむしろそのミスを相手がどう捉えるか…もう一度そこを狙ってくるかもしれない…その逆をついてやろう…のように、ミスをどう捉えるかも試合で重要な要素なのだと今は考えています。もちろん練習で確かな実力を身に着けてこそこのような考え方が有効で戦術に幅が広がるのだと思いますが。

とは言っても試合に勝ちたい気持ちは昔と変わらず今も強いです。時には熱くなって感情的になることもあります。そこで視野を狭めてしまうのではなくむしろ勝つために全体を広く見渡して策を見出す。ゲームに振り回されるのではなく、ゲーム全体の支配者になるべきだと思います。なんだか書いているうちに纏まらなくなってきてしまいましたが、後輩達には勝ちたい気持ちを燃やし続けてその中で自分なりのメンタルコントロール方法を見つけて欲しいなと思います。


偉そうに自分の今までを振り返ってしまいましたが、やはり自分自身もまだまだ未熟だなと改めて思いました。
「決断にプライドを持つ」
「テニスというゲームを楽しむ」
この2つは後輩達に意識してみて欲しいと思うと同時に、自分の今後の方針としても意識していこうと思います。

長く拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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