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龍蛇族日本人の祖、九頭龍大神①

九頭龍大神と八岐大蛇について深掘りしていきます。
日本人の奥底深くに龍蛇がいます。そのため、深く広くあらゆる神様と関連してきます。
その繋がりのなかから、かすかに聞こえてくる声のようなものを見つけられたら、と思います。
夢やシンクロも大事なヒントとなっています。
1、まずは九頭龍とは
九頭竜大神をお祀りしている神社には、箱根の芦ノ湖畔、長野県の戸隠神社奥社、東京都檜原村の九頭龍神社などがあります。

九頭龍大神は南朝の守護神とも言われ、霊験あらたかとしてスピリチュアル界でも崇敬を集めているようです。長野県戸隠神社由緒では、天照大神が岩戸隠れの際に、アメノタヂカラヲが岩戸を投げ、投げた岩戸が戸隠山に落ちた時に現れたのが、九頭龍大神で、タヂカラヲの御霊神とのこと。
戸隠権現となったタヂカラヲと共に、九頭龍大神は国家をお守りくださっているとのことです。

そのほか青森県から熊本県まで、全国各地に九頭龍伝承があります。長野県鬼無里では、能や浄瑠璃でも演目のある「紅葉狩り」の語源となった伝説があります。呉葉、後に紅葉と呼ばれた鬼女が九頭龍だった、とも言われているのです。

また、千葉県君津市では、ヤマトタケルと戦った、「阿久琉王」が実は九頭龍だった、との伝承もあるのです。
ここで【シンクロポイント】アクル「阿久琉王、という名前を知らなかった頃に見た夢なのですが、龍になったわたしに、天からの声が「名はアクル」と聞こえました。
起きてからしらべると、アクル王という名前が出てきました。阿久留王は、その出身地、千葉県君津市六手(むて)から“六手王”とも呼ばれていました。
鹿野山を根城に、悪の限りを尽くしていたために、日本武尊の軍勢によって滅ぼされました。

ただ地元では、阿久留王が善政を敷いていたのに、大和朝廷に目を付けられて、逆賊として討ち取られたということになっています。
このあたりの経緯は、東北の蝦夷の英雄、「アテルイ」こと「悪路王」と非常によく似ています。
さて、日本武尊に打ち負かされた阿久留王は、鹿野山の西にある山に逃げ込んで、涙を流して命乞いをしましたが、許されませんでした。
そのためにその山の名は“鬼泪(きなだ)山”と呼ばれており、二度と甦ることのないように、阿久留王は八つ裂きにされました。

その血は三日三晩流れ続け、血が流れた川は“血染川(現在は染川)と呼ばれたということです。
そして阿久留王は、ジブリ映画のもののけ姫、にも出てきた巨大な妖怪、ダイダラボッチだった、または九頭龍大権現だった、との伝承も残っているのです。
鬼で有名な酒呑童子もまた、九頭龍と同体の、八岐大蛇の子どもとの伝承があります。
アクル王、鬼女紅葉、酒呑童子、そして八岐大蛇。追われて流離い滅ぶもの。昔からどうしてもそういうものに魅かれてしまうのは、DNAの記憶にしっかり残っているからかもしれません。

2、八大龍王信仰との関係
インド神話に登場するナーガラージャが仏教に取り入れられた「八大竜王信仰」のなかでは、ヴァースキ、日本名で、わしゅきつ、という名前の龍が、九頭龍の本地と言われています。この八大竜王も、全国各地に社寺があります。特筆すべきは、富士山の忍野八海、八海とは八つの湖のことですが、八つの湖と八柱の龍神がそれぞれに対応、篤く信仰されています。わしゅきつ大明神すなわち九頭龍は、四番霊場の、銚子池におられます。
富士山といえば、古史古伝の「宮下文書」の幻の古代王朝と言われた富士王朝や、富士浅間大社の祭神コノハナサクヤヒメ、かぐや姫との関わりも気になるところです。また、海はアイヌ語でアト、アタ、と言いますし、わたつみのワタとも言うとすると、忍野八海の八海はや·わた。八幡信仰にも関係してきそうです。

3、修験道との関わり
修験道との関わりでは、修験道の祖、役小角が戸隠山で、勝軍地蔵に信心ふかく祈ると、九頭龍大権現が現れたといいます。ちなみに勝軍地蔵はイザナミノミコトの本地でもあります。そして、勝軍地蔵はシャグヂ、となまることもあったとか。諏訪のミシャグチ神とも繋がりそうです。時系列的には、ミシャグヂ神が先で、後から漢字をあてたのかもしれません。

4、白山信仰においては、泰澄の夢にイザナミノミコトが現れ、白山に来るよう告げました。泰澄が行くと九頭龍権現が現れ、ほんとうは十一面観音と告げます。そして白山権現として祀られます。以上のことから、イザナミノミコト、十一面観音、菊理媛は同じ神様ということになりますね。九頭龍大権現の霊験としては雨と水を司る、縁結びのほか、歯痛の治療にも霊験があり、「好物の梨を供えると、歯の痛みを取り除いてくれる」とされています。なぜ「梨と歯」なのかはまた次回に。

5、八岐大蛇とは
ヤマタノオロチの基本知識
九頭龍は八岐大蛇と同じ、という説もあれば全くの別の神様という説があります。ここでは同じ神と仮定していますが、基本的知識として八岐大蛇の神話をお伝えします。高天原を追放された須佐之男命(スサノオノミコト)は、出雲国の肥河の上流の鳥髪に降り立ちました。箸が流れてきた川を上ると、美しい娘を間に老夫婦が泣いていました。その夫婦は大山津見神の子の足名椎命と手名椎命であり、娘は櫛名田比売(くしなだひめ)といいました。 夫婦の娘は8人いましたが、年に一度、高志から八俣遠呂智という8つの頭と8本の尾を持った巨大な怪物がやって来て娘を食べてしまいます。今年も八俣遠呂智の来る時期が近付いたため、最後に残った末娘の櫛名田比売も食べられてしまうと泣いていました。 須佐之男命は、櫛名田比売との結婚を条件に八俣遠呂智退治を請け負いました。まず、須佐之男命は神通力で櫛名田比売の形を変えて、歯の多い櫛にして自分の髪に挿しました。そして、足名椎命と手名椎命に、7回絞った強い酒を醸し、8つの門を作り、それぞれに酒を満たした酒桶を置くようにいいました。

準備をして待っていると八俣遠呂智がやって来て、8つの頭をそれぞれの酒桶に突っ込んで酒を飲み出しました。八俣遠呂智が酔って寝てしまうと、須佐之男命は十拳剣で切り刻みました。このとき、尾を切ると剣の刃が欠け、尾の中から大刀が出てきました。そしてこの大刀を天照御大神に献上します。これが後に三種の神器の1つ、草薙の剣となる天叢雲剣です。 八俣遠呂智を退治した須佐之男命は、櫛になった櫛名田比売と暮らす場所を求めて出雲の根之堅洲国の須賀の地へ行き、そこで「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を)と詠みました、というのが神話です。八岐大蛇が洪水を興す暴れ川の比喩であり、スサノオがそれを治めた、という説。また、製鉄の民が征服する話だ、などいろいろな説があります。スサノオと敵対関係で描かれる八岐大蛇。ですが前回の動画で、アラハバキイコール多頭龍含む龍神イコールスサノオとしたので、なぜこの神話のような捻れができたのか調べていく必要があります。八岐大蛇はヤマトノオロチ、という説もありますし、さきほど八大竜王信仰で触れた、八つの海でヤアタ、とするとヤハタのオロチ、こちらも八幡信仰に関わってきます。そこはまた今度触れていくつもりです。いろいろ見ていくと、やはり九頭龍とヤマタノオロチは同体もしくは同族だと感じました。

6、九頭龍の別名、黒龍
【シンクロポイント】黒龍
私 が古代日本の神様などを調べるきっかけとなったのが、夢で「黒龍川を見てきて」と言われたことです。さっそく黒龍川で検索すると、福井県の九頭龍川の古名が黒龍川と知り、そこからいろいろ調べるようになりました。九頭龍は黒龍であり高龗大神ということです。雄略天皇21年(477年)、継体天皇が越前国の日野、足羽、黒龍の三大河の治水の大工事を行われ、暴れ大河であった黒龍川=後の九頭竜川の守護と国家鎮後を祈願されました。高龗大神=黒龍大神、闇龗大神=白龍大神の二柱のみたまを高尾郷の黒龍村毛谷(くろたつむらけや)の杜に創祀されました。これにより現代まで連綿と続く九頭竜湖~九頭竜川流域での黒龍大明神信仰が興ったのだとされます。 

その後、黒龍大神と白龍大神の、黒龍大神は、天地の初めから国土を守護してきた、東西南北の四方位を象徴する、四柱の神々「四大明神」の一柱を祀るものとされました。東の常陸国には鹿島大明神、南の紀伊国には熊野大権現、西の安芸国には厳島大明神、そして北の越前国に黒龍大明神として、日本の国家鎮護 及び 九頭竜川流域の守護神として祭祀されてきました。
注目ポイントは二つ、九頭竜川の古名は黒龍川であり、この黒龍は日本の東西南北の北を守護するとても重要な龍神だったということです。
黒龍川から九頭竜川になった由来は、889年6月、平泉寺の白山権現が衆徒の前に姿を現して、尊像を川に浮かべると、九つの頭を持った龍が現れ、尊像を頂くようにして川を流れ下り、黒龍大明神の対岸に泳ぎ着いたという。以来、この川を「九頭龍川」と呼ぶようになった、とのことです。

九頭龍は国栖龍で葛龍

くず、は国栖、葛でもあります。国栖とは吉野の土蜘蛛や常陸のヤツカハギなど、元々日本にいた人たちと言われます。だからこそまつろわぬといわれた阿久琉王や都から追われた紅葉狩りの鬼女呉葉と関連が言われたのでしょう。ナガスネヒコも国栖、となると、九頭龍はトミのナガスネヒコ一族、トミ一族でもあり国栖もトミも龍神を奉じる一族ということになります。八岐大蛇が高志から来ているので高志龍、かもしれません。葛城の葛での葛龍は葛城氏との関連も出てきます。また、葛はクグともいい、菊理ひめの別名、ククリ媛とも似ています。

いろいろな名前が関連づけられました。九頭龍は、タヂカラオのみたま神であり、朝廷に逆らったアクル王であり、鬼女紅葉であり、白山神の菊理姫でもあり、十一面観音でもありオシラ様でもある。そして諏訪のミシャグチ神や、彗星、流星王で龍神と結論づけた、アラハバキとも習合してくると考察しています。


↓少し原稿と違うところあるかもです(^^;


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