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「かぐや姫の物語」にまつわる考察

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ジブリ映画「かぐや姫の物語」の考察とまつわるエトセトラ。ついでに日本の神さまに隠された物語も追いかけたいシリーズ
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「かぐや姫の物語」にまつわる考察【第六夜】

くらきよりくらき道にぞ入りぬべき 遥かに照らせ山の端の月 ー和泉式部 行き倒れるかぐや姫 ※ネタバレあります。また、私見多く含んでいます。思考の流れのままに書いて不親切なところもありますが、とりあえず直感メインでいきます。 ------------------------------------- 映画館の予告で「かぐや姫の物語」を見た時、「姫の犯した罪と罰

「かぐや姫の物語」にまつわる考察【五】

※ネタバレあります。第五夜。私見や直接映画に関係ないこともかぐや姫に関することならどんどん考察していきます。 高畑勲監督は、永瀬清子の詩のファンだ。「かぐや姫の物語」を作製中も、永瀬清子さんの「諸国の天女」をよく思い出したという。 まずは永瀬清子とは。 永瀬 清子(ながせ きよこ、1906年(明治39年)2月17日 - 1995年(平成7年)2月17日)は、日本の詩人。岡山県赤磐郡豊田村(現赤磐市)出身。幼年期は石川県金沢市で過ごす。愛知県立第一高等女学校(後の愛知県立明

「かぐや姫の物語」にまつわる考察【四】

*ネタバレあります。かぐや姫の物語の考察、第四夜。私見が多数ありますので、備忘録として読んで頂ければと思います(逃げ)尚、歌詞の引用は引用の体裁を守っていればOKなので則って載せております。 ──────────── 輪廻の概念は映画のなかの歌に現れている。映画のなかで印象的な挿入歌。 これは、高畑監督の作詞作曲だ。 (作詞は脚本の坂口理子さんと共に) 「わらべ唄」 まわれまわれまわれよ 水車まわれ まわってお日さん呼んでこい まわってお日さん呼んでこい 鳥 虫

「かぐや姫の物語」にまつわる考察 【三】

*ネタバレあります。かぐや姫の物語の考察、第三夜。私見が多数ありますので、備忘録として読んで頂ければと思います(逃げ) 「姫の犯した罪と罰」 センセーショナルなキャッチコピーである。この功罪はあって、私含め多くの人が、このキャッチコピーで興味を掻き立てられ「見たい」と思ったのではないか。 ただ、高畑監督はこのコピーにちょっと抵抗していたみたいだ。 ユリイカ2013年12月号のインタビューより ───なぜ高畑さんがかぐや姫の罪に注目したのかということが不思議なんです (高

「かぐや姫の物語」にまつわる考察【二】

*かぐや姫の物語の考察、第二夜。私見が多数ありますので、備忘録として読んで頂ければと思います(逃げ) まずは、原作の竹取物語。 いわずもがな、この「かぐや姫の物語」は「竹取物語」をベースにしている。 作者不詳。原作というものは残っておらず、いろいろな写本の内容も、求婚者が三人だったり五人だったり、結末も複数あるという。特に結末において、帝との手紙のやり取りや富士山で不老不死の薬を焼くくだりがあるものとないものがある。 高畑監督が好きだという写本のひとつ、今昔物語のなかの

「かぐや姫の物語」にまつわる考察【一】

ジブリ映画「かぐや姫の物語」高畑勲監督。本当にこの映画の感想が、まとまるのか自信がない。 自信はないけど発車してしまう。いろいろな素晴らしい感想もクチコミも映画評も読んだ。 特に素晴らしいのが、有名かもしれないが故・雨宮まみさんのレビュー「かぐや姫の物語、の女の物語」である。まだ読んだことのない方は是非検索してみて欲しい。 私も、もちろんそのレビューでも泣いたのだが、この映画は女性だけのものではなく、男性の中のアニマ(男性の無意識の女性的側面)にも突き刺さると思う。 それ