書評 オビ- キム・ヘジン 貧困をモチーフにした小説群だが、読んでいると肌がチクチクするのは何故だろう
韓国人作家キム・へジンさんの短編集です。
9つの短編より構成されていて、表題作「オビ―」とデビュー作「チキン・ラン」が特に秀作でした。
モチーフは韓国社会の中に潜む貧困問題。
韓国では、そのことが、かなり深刻な問題になっていて、それは日本の未来予想図なのかもしれません。
「なわとび」という短編を読んでて感じたことは、失恋となわとびは真逆な存在であるということでした。失恋すると四六時中そのことで頭がいっぱいになるのだけれど、縄跳びをしている時は、それに集中し失恋のことは忘れて