独居高齢者と賃貸住宅
独居高齢者(65歳以上)が一人用の部屋を借りようとすると、民間の賃貸物件への入居は非常に困難を極めるようです。ある会議で、不動産の識者が「URくらいでないと入居は厳しいですよね。65歳の入居はほぼ断られます。なぜなら、孤立死により事故物件になることで資産価値が低くなるからです」と説明していました。通常なら「なるほど」と納得するところですが、それだけでは背景の理解が浅く感じたため、別の識者にさらに詳しく教えてもらいました。
その識者によると、事故物件の定義は「死因が特定できないため警察が介入した事実があること」であり、この場合には事故物件としての報告が義務付けられるとのことです。そうなると、この問題は65歳以上の独居高齢者が入居することに限らず、一人暮らしの入居者全般に当てはまることになります。確かに高齢者の方がリスクが高くなるものの、解決策はあるのではないかと考えました。
つまり、死因が特定できないという状況を避けるために、警察介入前に主治医による死亡診断が行われれば、問題は解決するのではないかと思いました。そうなると、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のように見守りがついた高齢者住宅にニーズがありそうです。しかし、こういった住宅に入居する場合、要介護状態や医療機関への入院が必要になれば、さらに費用が加算されることになります。(ご主人の死亡を奥様がしばらく知らなかった、同居しているのも関わらずという事例もありました、同居人がいても救急車でなく警察をよんだら事件性があると判断されるのでしょうか?)
そのため、事件性がない状態で看取ることが大切であると思います。やはり、一人で亡くなるよりも看取る人が近くにいることが理想的ですが、核家族化や生活スタイルの個別化が進んだ現在、この問題はさらに顕在化しそうです。
(急死することもあるので、IT技術を活用すべきか、なるべく早くタイミングで異変を察知すべきですね)
私が高齢者の相談を受けていたとき、一戸建てに家族で住んでいても、子供が独立して家を出て行き、夫婦二人だけになることが多いこと、そして配偶者を亡くした後、残された方が広すぎる家からコンパクトな部屋に転居したいというニーズがあることを知りました。
死因が特定できず、事件性を確認するために検視が行われるという仕組みである以上、対策は非常に困難であると思います。
この社会が「一人でもお金さえあれば生きていける」という効率化を進めた結果、孤立死のリスクが高まったと考えますが、何か良い方法はないでしょうか?
もっとも近い将来、賃貸住宅が供給過剰になり空室が多くなると、大家さんも背に腹はかえれなくなりなにか技術革新か、高齢者の入居を厳しくする慣習が廃れるかも知れません。
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