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いつになったら買えるんですか!と言われて気づいた事

今週の仕事始め、会社の問い合わせメールを開くと、こんなメールが届いていた。

いつになったらマスクは買えるんですか!!

たった1行だけ。怒りを込めて書かれているのはわかる。正直、月曜日の朝からこんなメールを受け取ると、その日は朝から憂鬱になる。

心を落ち着かせてお詫びをして、なぜ弊社の自社生産のマスクは
生産数が限られてしまう旨を冷静に書いて送信ボタンを押して、似たような問い合わせに対応する。

先月に比べると大分落ち着いてきたが、それでも毎週のようにマスクが買えなかった事への怒りのメールが届く。
一方で、常連のお客様からは買えなくても、気長に待ってます!とか、頑張って!といった、とても暖かいメールも届く。

 同じ商品を売っているのに、この差は何なんだろうと考えると、IKEUCHI ORGANICを以前から知っているかどうかと、情報量の差であることに気付く。
マスクが買えなかったことへの怒りをぶつけてくるメールには特徴があった。IKEUCHI ORGANICでの購入経験がないお客様だ。そしてアドレスを見ると、ほとんどが携帯キャリアからのドメインだ。つまり、メディアを通して初めてIKEUCHI ORGANICを知った方だ。

弊社のオーガニックマスクは、オーガニックコットンの生地で出来ていて、なんども洗える商品で、赤ちゃんが口にしても安全という製品だが、今回はたくさんのメディアに取り上げていただいた。
新聞、webメディア、テレビ・・・正直商品一つで取材がこんなにくるのかと思うくらい取材やSNSでの反響が大きかった。

当然ながら自分たちの想いを全て伝えることが出来るほど詳細な記事になる事は少ないし、ただ単に、マスクを欲しいというお客様にとっては、どんな会社がどんな背景で製造したかなんて興味は湧いてこないだろう。だから、機能的価値のみで判断されて、欲しくなったのだと思う。

一方で常連のお客様は、どんな会社が、どんな製造背景で、極端な事を言えばどんな職人さんが作っているのか、わかってくれている。だから、あの規模だと無理だよねーとか、想像力が商品の背景にまで及ぶのだと思う。

これだけ書くと、冒頭のようなメールを送る方の品性がないと捉えてしまいがちだけど(少なくとも最初はそう思っていた)、圧倒的にお客様に対して適切な情報を伝えることが出来ていない事にも気づく。

私たちが大切にしている価値観に「すべての「人」を感じ、考えながらつくる。」という言葉がある。

それと同時に、モノを届ける立場としても「すべての「人」を感じることができるモノの伝え方」をする必要があると感じている。

もう1つ別の話を紹介したい。

最近コラボをして販売開始した某スポーツチームとのコラボタオル。担当の方がこっそり僕に、伝えてきてくれた。

「タオルは御社以外でもたくさん扱っているのに、不思議と口コミが出るのはIKEUCHI ORGANICだけなんです」

これも、担当の方をはじめ、複数の社員の方がIKEUCHI ORGANICを自分の会社のことのように、お客様に熱く伝えてくれている。だから、モノづくりの背景やどんなブランドで、どんなプロダクトなのかがお客様に伝わる。

結局のところ、お客様が怒るのは、僕らの伝え方、伝える量が圧倒的に足りていないだけなのだ。そして最初から全てを伝えることが難しくても、伝え続ける努力は必要だと思う。

もちろん度を超えたクレームに対しては毅然とした対応をとるけど、伝える努力をすることで関係性も変わってくるのだと思う。誰もが怒りたい訳ではないはずだから。そんな事を考えた1週間。さあ、今週のマスクの販売、届け方を工夫してみよう。








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