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著作権法改正、写真のスクショによる複製やライブ配信は?

令和二年に、著作権法が改正されました。
いわゆる写真のスクショによる複製やライブ配信で、映り込んだ著作物が、どのように扱われるのか解説してみます。

携帯電話によるネット利用の浸透から、さまざまな著作権の問題が発生

携帯電話やタブレットで、写真や動画を撮影した際に、偶然、背景にある著作物が入っちゃうことってありますよね。
このような、映り込みによる権利制限が変わりました。
もともと、スマホなどで、写真や動画を取った際に、著作物の映り込みの問題は、従来から著作権侵害になりませんでした。

「複製」には敏感な著作権法

問題は、写真のスクショによる複製やライブ配信は、どのように取り扱われるか、法律上は明確ではなかったのです。
ここで、「複製」っていうことには、結構、著作権法は敏感なんですよね。
結局のところ、著作権法が押さえたいのが、違法な複製行為なんですよね。
そして、その複製したコンテンツを、ネットで拡散してしまうのも、ある種の「複製」なんです。

ライブ配信もそうですよね、動画に撮影しているものを、ネットを通じて、多くの人へ複製したものを配信してしまうんです。
まあ、何がオリジナルで、何が複製なのか、デジタルになっちゃうと、一緒なんでしょうけれども。
だから、写真のスクショやライブ配信について、著作権法でどのように扱うか、いろいろ議論があったんです。

映り込みを、著作権侵害としてしまうと、そもそもネット利用が?

しかし、日常の生活で、撮影したスクショやライブ配信なども、今回の著作権の改正で、明確に侵害ではないと決まりました。
理由としては、インターネットの利用の浸透から、このような映り込みを、著作権侵害としてしまうと、そもそもネット利用ができなくなってしまうからです。

そのため、写真のスクショによる複製やライブ配信は、著作権法の対象外にすることになりました。

でも、映り込みというからには、著作物がメインになっている場合は、著作権侵害になります。
あくまでも、偶然に映り込んじゃったな、という場合にのみ、適用が制限されるのです。
う~ん、どのくらいの映り込みならOKなのか、難しいですよね?

偶然に映り込んじゃった、それとも、意図的?

具体的には、いくつかの条件があります。
まず、第一に、映り込んだ著作物の利用によって、金銭的に利益を得る目的だったかどうかです。
この場合は、偶然、映り込んだとは、言えないですよね。

次は、メインに映そうとした被写体と、偶然、映っちゃった著作物は、分離することが難しいかどうかです。
ちょっと、ずらせば映らないところ、わざわざ映しちゃったようなものは、ダメです。

最後に、メインに映そうとした被写体に、映っちゃった著作物が果たす役割も判断されます。
つまり、偶然、映り込んだとは、言えないような、意図的な映り込みは、やりすぎちゃダメよ、という範囲を規定しようとしているのです。
でも、この範囲って、よくわからないですよね。
今後の取り扱いを見ていくことが必要ですね。

令和二年に、著作権法が改正されました。
そのうちの一部は、すでに施行されています。
いわゆる写真のスクショによる複製やライブ配信は、やりすぎなければ侵害になりません。



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