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その英語の勉強方法、仕事で使えますか?

多くの人が外国語を話せたらよいな、と思っているかと思います。
僕は、会社を、米国、中国、タイ、ベトナムに、設立していて、いまは、日本、中国、タイ、ベトナム、フィリピンに、家があるんですよね。
でも、驚かないでもらいたいのですが、外国語はすっごい苦手です。

英語試験がスゴイ嫌い

たとえば、僕が、日本の企業に90年代の前半頃に入ったんですが、そのころTOEIC(トーイック)という英語の試験が、日本でも盛んになり始めていたころです。
このころは、僕は、英語がスゴイ嫌いで、このTOEICという試験が、イヤで仕方がありませんでした。

会社で一斉に受験するんですが、適当に、答えを書いて、さっさと、仕事に戻りました。
僕のTOEICのスコアが低すぎて、部長が僕だけTOIFL(トフル)の試験を間違って受けたんではないかと、勘違いしたほどです。

なお、TOEICとTOIFLでは、点数のつけ方が全然違っていました。
当時、TOEICの点数を1/3くらいにすると、当時のTOIFLの点数くらいになっていました。
つまり、他の社員の1/3くらいしか、僕はTOEICの点数が取れていなかったんですね。
実は、僕は、こういうペーパー試験で、言語の能力を図るのが、実践的ではないなと、当時は思っていました。
それは、そののちに、正しいと証明されるんですけれどもね。

実際に関係ないシーンでの英会話学習、必要ですか?

そうはいっても、まずはペーパー試験の勉強をしないと、単語とか文法とか、最低限の知識が身につかないでしょ、って言われるかもしれません。
確かに、外国語って、単語がわからなければ、何もしゃべれませんよね。
そういう意味では、確かにそうなんですけれども、どういう単語を覚えるか、なんだと思うんです。

ペーパー試験の勉強は、さまざまなシーンが出てきますよね。
でも、そんな全部のシーンって、必要ですか?
動物園にいったり、港の町で、話すことって、そんなにあります? 

TOEICの点数は、ほぼ満点、でも、英語が仕事で使えない

それよりも、僕は、もう知財のコンサルとして、仕事をしようとしていましたので、その分野で必要なフレーズだけを学べば良いと、思っていました。
僕の会社の同僚は、結構優秀な人が多くて、2つ下の後輩とかでも、TOEICの点数がほぼ満点とか、普通にいました。
でも、今見ると、同僚の人たちは、引き続き、同じ会社で同じように勤務しています。

海外で、知財のコンサルとして、独立して仕事をしている訳ではないんです。
むしろ、僕の方が、海外での仕事を、英語を使ってバリバリやっているんですよね。
僕の部下は、8割以上が日本語が話せません。
お客さんも、いまは6割が欧米企業です。

多くの人が、外国語を取得出来たらよいなと思って、ペーパー試験の勉強を頑張っていると思います。
僕は、こういうペーパー試験で、言語の能力を図るのが、実践的ではないなと、思っています。

相手が何を話しているか、全く分かんないと、悩むTOEIC高得点者

僕より、TOEICの点数が、全然上の同僚たちが、米国では、そもそも、相手が何を話しているか、全く分かんないと、悩んでいました。
結果的に、僕のように、自分のフィールドのみで、必要な英語のフレーズを学んだ人が、現地で通用するんですね。

僕の場合、自分のビジネスで、どんなシーンがあるか、どのようなアドバイスをするかを、徹底的に場合分けして、その内容を全部丸暗記しました。
こういった勉強をしなければ、外国語を使って、実際にビジネスはできないと思っていました。

たとえば、米国の知財の弁護士たちと、あるケースの検討会をするときには、どのような議論が出るかを、事前に想定しておきます。
もちろん、1つのストーリーだけではなくて、いくつもの分岐するストーリーも当然考えます。

そして、そこでの僕の話し方を、あらかじめ紙に書いておいて、その内容を丸暗記します。
発音なども、誰かネイティブスピーカーにお願いして、チェックしてもらいます。
多くの人が、ペーパー試験の勉強の他に、英会話学校のグループ英会話に行って、勉強しているかと思います。
僕の場合は、グループ英会話ではなくて、マンツーマンで、その時間中ずっと、紙に書いておいた内容の発音をチェックしてもらいました。

TOEICは、アメリカでは誰も知らないプログラム

ですので、米国の知財の弁護士たちと、検討会をしていても、実は、TOEICの点数が一番低い、僕が一番発言していました。
米国の審査官に面接審査で会いに行ったり、欧州企業とライセンス交渉できるようになってきました。
ちなみに、アメリカ人はTOEICの試験について、ほとんど知りません。
この試験は、アジアの人向けに開発されたプログラムのようですね。
そういった、現地では誰も知らないプログラムに、時間を費やすよりかは、現地で実際に話をすることに注力しました。

英語の勉強だけではなくて、アメリカの知財のビジネスの勉強だった

そういう、アプローチをしていくうちに、意図しない、成果も現れてきました。
米国の知財の弁護士たちと、日本の弁理士とは、多くの場合に、問題点に対するアプローチが全く違います。
これは、法律の制度が違うという他に、その国の知財に対する考え方が、全く違うんですね。
どのような議論が出るかを、事前に想定する際に、このようなアメリカ的な考え方に、フィットする議論も、あらかじめ準備するようになりました。

つまり、もう英語の勉強だけではなくて、アメリカの知財のビジネスの勉強になっていったんですね。
ビジネスで外国語を使いたいと思っている人は、自分のビジネスで、どんなシーンがあるか、どのようなアドバイスをするかを、徹底的に場合分けして、その内容を練習しましょう。

それが徹底していければ、もう外国語の勉強だけではなくて、その国のビジネスの勉強にも役立ちます。

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