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模倣品の摘発作業をご紹介

現在、多くの日本ブランドのニセモノ品が、中国や東南アジアでは取引されています。
特に、ネットでの買い物が増えたことで、流通している商品の中にニセモノ品が急増しています。
一昔前は、ニセモノ品を製造している工場を調べて、摘発すれば、模倣品の流通は止まっていました。

残念ながら、現在の模倣品のビジネスは、もっと巧妙化しています。
具体的には、ニセモノ品を企画販売している、ニセモノ品ビジネスのオーナーと、工場は、分離していることが多いです。
つまり、工場側は、注文を受けて、本物品かニセモノ品かもわからずに、製造しているんですよね。

そのような工場を、ニセモノ品ビジネスのオーナーは、複数利用していますので、一つの工場を摘発しても、模倣品のマーケットへの流入は止まらないのです。

このような状況に企業側は、対応していかなければいけませんが、実際にどのような手順で進めればよいのでしょうか?

5つの摘発プロセス

我々が行っている、海外での一般的な摘発プロセスについて、説明します。
まず、1番目に、 初動調査を行います。
どのくらいの被害があるかを、カンタンにサーベイするんですね。
実際に、最初の調査で、どのくらい深刻なのかわかるケースが多くあります。

次に、2番目に、現地調査(ネットと実店舗の双方)を行います。
これは、初動調査で分かった情報を基に、さらに人員を掛けて実施します。
ネットで売られているニセモノ品を購入したり、実際の店舗へお客を装って訪問するなどしています。

そして、3番目に、 警察への証拠提出 を行うんですね。
可能であれば、早い段階で現地の警察と連携をとれると良いですよね。
警察側が、場合によっては、独自に調査をしてくれるケースもあります。

次に、4番目に、承認および裁判所命令の取得します。
警察から摘発の承認と、裁判所からの摘発の決定命令をもらいます。
国によって、裁判所命令には時間を要する場合があります。
国によって、裁判所命令には時間を要する場合があります。

最後の5番目に、 摘発実施となります。最後の5番目に、 摘発実施となります。

現地の販売代理店が、一番マーケットを知っている


この摘発プロセスについて、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
初動調査では、どのくらいの被害があるかを、カンタンにサーベイするんですが、多くの場合、現地の販売代理店などから、模倣品の情報などが、日本の本社側に上がってくることで、模倣品の存在が判明するんですよね。

可能であれば、現地の販売代理店へヒアリングを行える時は、直接、現地の販売代理店へコンタクトして情報を収集したりします。
でも、現地の販売代理店へ直接コンタクトされると、困るという方は、このヒアリングは行いません。

WEBで英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語で調べてみる


そして、現地調査なんですけれども、ここが一番大事なんですね。
対象商品を販売する店舗や場所を見つけるため、 販売ウェブサイト、チラシ、実店舗など、さまざまなソースからすべての情報を検索して収集します。

先ずは、WEB上で、調査する人員を少し増やして実施します。
我々は、英語、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語の言語で、WEB調査できるんですよね。

実際の店舗へスパイ訪問


そして、ネットで売られているニセモノ品の情報だけではなく、実際の店舗へお客を装って訪問するなどしています。
大体、今の時代、ネット収集した情報に基づいて住所を割り出せるんです。
そして、現地に訪問して、証拠を購入あるいは顧客を装って、アプローチして、模倣品の真贋を確認したりします。

体にカメラやビデオを、いっぱい付けて、販売している店舗に潜入するんです。

スパイ映画見たいですよね。

警察にアクセス


こうやって、集めた情報を証拠として、警察へ提出して、摘発のスケジュールを確認していきます。
国によって、いろいろと要求される証拠の内容が違うんですよね。
その国に合わせた証拠を作成していきます。
また、国によって、警察の動くスピードが違いますので、もう少し早い段階で、警察にアクセスすることもあります。

裁判所命令


承認および裁判所命令の取得では、我々の提出した証拠に基づき、警察が実際に状況を確認します。
そして、実際に現地を確認した後に、承認の可否を決定してもらいます。
ほとんどの場合、問題なく承認してもらえます。

もし、証拠が足りない場合は、現地警察と協力して調査を実施したりします。
この点は、警察の担当官によって、マチマチです。
そして、裁判所命令を取得します。

摘発当日


ここまで来れば、あとは、もう少しです。
実際の摘発を行います。
通常は、警察の証拠提出から2か月前後で、摘発が実施されます。
もちろん、年末年始・夏休み期間を除く前提ですが。

摘発は、大体、一日かかりですね。
我々も、一緒に警察の車に乗って、店舗や倉庫に行きます。
そして、裁判所命令を見せて、模倣品を押収していきます。

多い場合で、トラック数台分という場合もありました。
スゴイですね!



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