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アメリカの対中政策が、ミッキーマウスを救う?

今日は、ミッキーマウスを中国が救うっていう話を、してみたいと思います。
ディズニーって、人々に夢を与える工夫を、一生懸命していますよね。
ディズニーは、アメリカの著作権法を改正するために、大規模なロビー活動を行っています。
アメリカの著作権の専門家曰く、「1匹のねずみ」がアメリカの著作権法のすべてを変えた、と言われるほどです。
確かに、これは少し大げさなのかもしれませんが、ミッキーマウスの誕生によって、著作権の保護期間は、間違いなく長期化しています。

パブリックドメイン化してしまう、ミッキーマウス

今までは、トランプ政権だったら、国内産業保護のために、著作権の保護期間を200年にするのではないか、と思われていました。
ですから、ディズニーのロビー活動の担当者も楽観的だったんですよね。
しかし、民主党に政権交代したので、ロビー活動が、最初っからとなりました。
自由と平等を目指す民主党政権下では、ミッキーマウスをパブリックドメイン化させる判断も、おかしくありません。

ミッキーマウスを救うのは、中国のパクリ遊園地

しかし、ここで浮上してきているのが、新政権の対中政策なんですよね。
ずいぶん前に、報道されていましたが、中国の北京の石景山遊楽園っていう、パクリ遊園地がありましたよね。

その遊楽園のキャラクターの中には、ミッキーマウス、ドナルドダック、クマのプーさん、白雪姫と七人の小人などのディズニーキャラクターに、よく似たキャラクターがありました。
その遊園地で乗れるアトラクションも、結構、ディズニーランドに似ていたんですよね。

さらに、「ディズニーランドは遠すぎる。石景山遊楽園にいらっしゃい」をキャッチフレーズにして、集客していました。

世界では、失敗しているディズニーランドが、いくつもある


ちょうど、その頃、香港ディズニーランドが、オープンしていたんですが、凄く敷地が狭くて不評だったんですよね。

香港は、そもそも狭いですからね。

日本人は、一番成功している東京ディズニーランドしか知らないのですが、結構、世界のディズニーランドは、苦境に陥っているところも多いんです。
香港のディズニーランドは、もっとも失敗したディズニーランドと言われていました。
そう言った背景で、ディズニーキャラクターに似せた石景山遊楽園を、当時、売り出そうとしたんですね。

石景山遊楽園は、上海万博のスポンサーにも、なっていたと思うんです。
かつて、カルフォルニアのディズニーランドも、まったく集客できない時期がありました。
もう、ディズニーランドのアトラクションも古くて、すぐ近くにユニバーサルスタジオもありましたから。

断固たる措置

もっとも、石景山遊楽園側は「結果として一部似ているが、決してマネしたわけではない」と、耳を疑う主張がありましたが、写真をみたら、完全にモノマネで、アウトですよね。
石景山遊楽園では、ディズニーキャラクターの他に、ハローキティ、ドラえもんなど、日本の有名なキャラクターによく似たキャラクターもありました。

しかし、世界的に石景山遊楽園を非難していたのは、米ウォルトディズニー社だったんですね。
この時に、いち早く対応に動いたのが、米国政府でした。
米ウォルトディズニー社は、石景山遊楽園のみならず、北京市も訴えたんですね。

米政府を動かしてしまう、米ウォルトディズニー社

さらに、アメリカ政府も、中国について「知的財産権の保護が不十分」として、WTOに対して提訴しました。
もう、国を動かしちゃんですよね、米ウォルトディズニー社って。

この時のアメリカ政府の経験から、パブリックドメイン化させてしまうと、まずいぞ!という危機感が、米国議会では生まれています。
ウォルトディズニーの築き上げてきたコンテンツ産業が、中国に盗られてしまうという訳です。

そもそも知財財産権を長期に保護すると、米国産業の育成や発達を阻害するのですが、それが中国産業にも影響を与えることになると、話はずいぶんと変わってくるのです。
対中政策は、引き続き民主党になっても、強硬政策が続きます。
このような背景で、ミッキーマウスの著作権の保護期間が、さらに伸びてくるという目が出てきました。

コンテンツを保護しない日本

一方で、石景山遊楽園の問題の際に、ハローキティ、ドラえもんなどの日本の著作権者からは、声はそれほど聞こえてきませんでした。
石景山遊楽園を期に、ディズニーキャラクターのニセモノは、中国市場から姿を消しました。
一方で、ハローキティ、ドラえもんなど、日本の有名なキャラクターは、その後も中国の模倣品マーケットで、引き続き生き残っています。

後日談ですが、石景山遊楽園から、ディズニーの類似キャラクターが撤去された後、今度は日本のアニメが、アトラクションに描かれていました。
石景山遊楽園のアトラクションに描かれたアニメには、とっとこハム太郎、美少女戦士セーラームーン、カードキャプターさくら、幽☆遊☆白書、新世紀エヴァンゲリオンなどなどです。

完全に、ディズニーから日本のアニメに、ターゲットが移っちゃいましたね。
こう言った、コンテンツの保護に対するチカラの入れ方が、圧倒的に日本とアメリカは違うんですよね。

日本のアニメのために、著作権法を改正しようという、そういった将来が起こると良いですね。


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