2拠点生活1年で気づいた自分の価値観
2023年9月に初めて2拠点生活にトライしてから1年が過ぎた。
2024年からは、フリーランスになり仕事もよりフレキシブルに動いてきた。
自分の親が自営業(個人事業主)なので、フリーランスで働くことの大変さも覚悟していましたが、やっぱり仕事を頑張ったときとそうでない時の結果は収入として如実に表れるなと言うことを実感している今日この頃。
改めて、家族を養い3人の子どもを育て上げるほど自営業で稼いでいた父を尊敬するとともに、やった分だけ結果が出る働き方は納得感があるし、自分は嫌いじゃないなと感じている。
「田舎」と「都会」どちらか一方にどっぷりは難しい
また、2拠点で仕事をすることにも合理性を感じている。
私はずっと田舎にい続けるともやもやがたまってきてしまうし、都会にい続けても虚無感を感じてしまう。自分自身が「機嫌よく」生きていくには、どちらかにどっぷりとつかってしまうことは今のところ得策ではないことがわかった。
ティーンの頃に、田舎の閉鎖感や他を受け入れずらい価値観に嫌気がさして都会を目指したあの時の気持ちは、今の故郷にいても少なからず感じてしまう。
そして、都会で自分自身が”消費”されて疲弊して、田舎の温かみが懐かしく感じてしまう気持ちも、毎度新鮮に現れる。
ずるいとは思うけど、今のところ私は自分の機嫌に合わせてこれからもどちらとも付き合っていくことができる今の感じをできる限り続けていきたいと思っている。
そこに故郷愛はなかったかも
田舎と都会とどちらにも居就けない私だけれども、どこにいても変わらない熱量で考え続け動き続けられるものがあった。
それが「漁業」。
私自身「自分は故郷が好きで家業に関わりたいのだ」と思っていたけれど、実際にはそこに特に「故郷愛」はなく、漁業に対する熱と愛があったのだと気づいたのだ。
今でも全国各地の顔を知っている漁師さんたちのことを心から応援しているし大好きだし、いつでも会いに行きたいし、その中に地元の漁師さんたちや親もいるという感じ。
漁師のマインドや仕事の内容や仕事の仕方、道具、景色、町並み、文化など、漁業に紐づくすべてが好きで、食料を生産して海と共存するこの産業に心からの敬意があり、未来を感じている。
高校生の頃は「日本史」や「世界史」、「政治経済学」などいわゆる文系科目が死ぬほど嫌いだった私が、「漁業」を入り口にしたら全部面白い。
”推しを通して世界が広がる”という体験を今まさにしているということを自覚することができた。
そしてこの気づきによって、自分はどんな立場(中の人なのか外の人なのか、、、など)で「地域」と「漁業」を語るべきかということも冷静に考えられるようになった。
浮き彫りになる”不安要素”
比較的満足度が高い生活ができているけれども、頭のかたすみにずーっっとあっる不安もある。
それは「もし妊娠したら・子どもができたら」という可能性。
積極的な妊活をしているわけではないけれど、可能性はあり、もしそうなればきっと今とはまた違った幸せを感じることができるかもしれないという前向きな期待もある一方、そうなれば今のように”自分の機嫌”に合わせて行きたいときに行きたいところに行き、やりたいことをするという生活はできないだろうし、2拠点生活をする自分もまったく想像できていない。
フリーランスという収入の不安定感も相まって、この可能性が現実になったときの不安は結構大きい。
あまりそうは思いたくないけれど、この不安があるせいで、自分が想像できる期間で想像できる範囲の仕事をお引き受けするに留まってしまっている気がする。
大きな投資や、成果が出るまでに時間がかかるプロジェクト、多くの利害関係者を巻き込むものなど、上記の可能性が現実になったときに私が一時離脱することで機能しなくなるようなものは、無意識に避けている気がしてきた。
これに関しては一人で考えていても全く答えが見えないから、経験済みの先輩たちや私がいつも頼って助けていただく人たちと、率直に話しながら自分なりの出口を見つけていきたい。
「好きなこと」が何なのか言える幸せ
そうはいっても、漠然としていた不安がこんなふうに言語化できていることはすごくうれしい。
そして、数年前はなぞの使命感に押しつぶされそうで、「自分は本当に漁業が好きなのか?」と疑っていたほどだったから、自分は何が好きで、その好きなことを通して世界をどう見て、どう生きていきたいのかがわかってきたのがうれしい。
何気に、数年前に「こんなことやってみたいな」と思っていたことを今やっているのもうれしい。
「何になりたいか」よりも、「どう生きたいか」を考えられるようになった自分にカンパイ。
そして2年目も、家族には(特に夫には)大いに甘えることになるけれども、自分は幸せだということをちゃんと伝えながら一緒にがんばろう。
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日々を送ることで精いっぱいになりがちな中(ただのさぼりぐせだけども)、ちゃんと振り返ってここに記すことができた自分をほめたい(笑)