『17日後』から1年後の世界

今日のテーマは何を書こうかなと考えていたら、このイラストに出会いました。おお、『17日後』のためのイラストみたいだ!

『17日後』というのは昨年のカクヨムWeb小説大賞(※「カクヨム」はKADOKAWAが運営する小説投稿サイト)のためにわたしがちょうど1年前に書いた小説です。

お読みになってない方がほとんどだと思うので概略を書くと、2年間つき合って同棲中の大学生カップルが彼氏の浮気から17日後に別れる約束をして、その17日後に至るまでを描いた恋愛小説です。季節はちょうど秋から冬。寒い中、物語は繰り広げられていきます。ちょうどコートを着て、気持ちはうずくまるような。ほら、イラストみたいでしょう?

エブリスタでは『十七日後、わたしたちは』と改題、加筆修正して掲載しております。エブリスタ版の方が誤字脱字等修正も入って、より読みやすくなっているはずなんですけど、ついオススメするのはカクヨム版になっちゃいますね。カクヨム版は昨年のカクヨムコンから一言一句、誤りさえ正していない、フリーズドライした作品なんですけど。

わたしの中ではさすがに1年経って、自分の中身と照らし合わせてみて「もう古い作品だなぁ」と思うのですが、ありがたいことにこの小説だけは毎日のように新規で読みに来てくださる方がいるという、うれしい状況になっています。

愛され作品。

作品自体はドロドロ、鬱展開なんですけど(この作品を書いて初めて『鬱展開』なる言葉を知りました)、作者のわたしが言うのもなんですが、どこか「刺さる」ところがあるんでしょうね?人が人に恋する気持ちとかなのかな?わたし自身、この作品だけが異常に読まれていることを不思議に思っています。

自分で面白くないと思うポイントがありまして!まず登場人物が少なくて、しかもみんな同い年であるということ。この前に書いた作品では主人公のお母さんや元彼なんかが出てきてなかなかある意味にぎやかだったのに、『17日後』では賑わいがない。更に設定として「ふたりが同棲中」であることからふたりとも元は一人暮らしだったこと、彼女は人酔いをしてあまり出かけられない人ということになっているので、舞台に広がりがない。この2点がわたしの気になるところです。

どうにも自分の書く小説には厚みがないなぁと気にしているのですが、17日間という微妙に短い日数の中で広がりを作るのが難しかった。何しろ、〆切に間に合わせるために1ヶ月で書き下ろしたということもあり、プロットはしっかりしたものがあったんですけど、細かいところまで行き届いてないなぁと思っています。

そんな、わたしにしてみれば未熟な作品がいつまでも読まれているのは謎です。さすがに読者の目線ではもう読めないので。

ありがたいことに、昨年は1次選考は通過したんですけど、最終選考はダメでした。でもそれまであまり経験のなかったぽっと出のわたしが1次選考を通っただけでもすごいことだと思います。

めっちゃ回想入ってるんですけど!

まぁそんなわけで季節は巡り巡って、今年もカクヨムコンシーズン1ヶ月前となっております。わたし、すごい気が弱いところがあって、用意しておかないと気になって仕方がないタイプなんです。なので今年のカクヨムコンに出そうと決めた時に、(カクヨムコン自体は11月末日から始まる)1ヶ月前までにとりあえず書き上げようと。昨年は時間のない中、キリキリして書いたので神経もすり減ったし、視力もガタ落ちしました!今年、眼鏡、買い換えましたから。それを回避したいわけです。

何がそんなに神経をすり減らすかというと、これは本当に悪いシステムだと思うんですけど、1次選考は読者選考になっていて、読者からの評価が基準になって通過できるわけなんです。毎日の数字が気になる。そうするともう、文章を推敲して詰めていくなんてできなくて。ユーザーフレンドリーな体制にならざるを得ない。この時は幸い、物語の流れに逆らうようなコメントがなかったので精神的によかったんですけど、コメントのやり取り次第では神経すり減るんですよね。相手も悪気があるわけじゃないのはわかるんですが。

そういう体制で2ヶ月やっていくんですけど、今年はもう数字を追うのは勘弁だなと思いまして、新設された『朝読小説賞』のために書いています。この賞は賞金も10万円(カテゴリー別の大賞の場合は賞金100万円)と小さいんですけど、その代わり、応募作は全作読んでもらえるんです。すごくないですか?逆に言えば、他の賞は全部読んでくれたりしないってことですよね……。全部読んでくれて、読者選考のポイントに関係なく選ばれる、つまり数とにらめっこしなくてもいいという!……昨年、数とにらめっこするのに疲れてしまったわたしはそこにかけることにしました。目指せ『キミスイ』!『君の膵臓をたべたい』は、朝読書で読まれる本ランキングの1位だそうです。なんかこの話、前も書いたな……。

とにかく、今年は青春小説を書いています。なぜならドロドロ鬱展開の後、わたしにやってきたブームだからです。ドロドロ鬱展開だと登場人物像も限られてきちゃうし、何より自分が鬱になる!青春小説はキラキラしていていいですよ。青春時代のキラキラした心の中にあったものを丁寧にピンセットですくい上げていく作業になります。これがカクヨムの読者にウケるかはわかりませんし、ウケないかもしれないけど、今、書きたいのはこういう小説ですって、原稿を渡したいです。

というわけでそろそろ書き上がります。エンディングを決めかねているところでして。どこで終わるかというのは非常に大切なところなのです。書き終えたら、遂行作業を1ヶ月して、カクヨムコン始まったら公開できるといいな。途中で気が変わって出さないこともあるかも?

カクヨムでは『カクヨムロイヤルティプログラム』というシステムが始まり、カクヨムというサイトに貢献したポイントで現金が貰える仕組みになりました。わたしは不参加です。いろいろ理由はありますが、アマチュアの間に書いたもので端金をもらうのは自分的にどうかな、と思っています。そういう目的で書いているわけではないし、例えば『17日後』のような大切な小説に現実的な広告バナーもつけたくないですし。カクヨムで育ったので貢献して返したい気持ちはありますが、自分のためにはカクヨムより外での活動のことも考えなくてはなりませんし。

『17日後』、もしかしたらお金になるかもしれませんけど、印税じゃないお金はいらないぜ、みたいな?言い過ぎかな?

話は広がりすぎましたが、とりあえず今書いているものを仕上げたいと思います。最優先課題!10万文字は超えているのであとはわたしの気持ち次第です!

できたら、今年のカクヨムコン、わたしの青春小説も読んでいただけるとうれしいです。中高生の頃を思い出してドキドキさせますよ!

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