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ブランチとコヒーレント (31)

2023年4月のブランチ (2)

3月から4月は世の年度終わり、年度始めで何かとバタバタしがちだけど自分も例に漏れずで、何かある度にモヤモヤ。特に人事異動が絡むと面倒。チームのメンタルケアは大事だけど、自分は自分で何とかするしか。
悲しき組織の犬。

燎はライブを重ねつつも、更に変化し続けている。今までと傾向が違う対バンに参加したり、アコースティック編成でライブしたり。

毎回趣向が変わり、いつも箱に行くたびに冒険に出るような気持ちになる。けど、何だろう、この感じ。

ねこさんと果南さんは一心同体、みたいな感じではない。けど、だからといって決別する感じでもない。ある意味いいコンビなんだろう。

半年前とは違い、この先のスケジュールは次々と決まっていくし、ライブのブッキングに隙間が空くと、すかさずイベントを入れて、ファンとのコンタクトを絶やさないようにしている。この努力は凄いもので、自分だったらきっと一休み、探さないでください…としちゃう所だろう。

けと何故だろう、近いうちに今の状態は離散してしまうような予感がしてならない。言葉では言い表せない何かが自分にある。



燎のアコースティック編成ライブがあった。燎でやるのは彼女らの歌唱力や楽曲の傾向から凄くハマりそう。

去年のワンマンライブで "四葉" や "羽化" を初めて聴いた後にねこさんに会った時、アンプラグドで聴きたいと食らいついた。素人が思いついたくらいだから、既に本家は頭の中にあっただろう。

そして弾き語りのイベント、ウダガワガールズ コレクションに出ると聞いた瞬間これは逃してはいけないと確証して予約した。ねこさんの弾き語りは一度同じ所で聴いていて感触は掴んでいるし、対バンの人達のレベルの高さは半端ない事もその時知った。

そういうステージに対して、日々忙しく十分な時間が取れそうにない中でどこまで詰められるのか。楽器の演奏は一朝一夕では形にならないだろうし、作曲は別の人。間違いなく難易度は高い。なのにかなり過密スケジュール。

何か、先を急いでいないか?という気がしなくもない。

アイドルからの脱却という問答無用でくるタイムリミットへの挑戦、この先に対しての模索?更にその先の人生、パートナーを見つけて転換期を迎えるという選択?その後への布石?

彼女らに関与しようもないのだから、まあ考えすぎだ。けど、こうやってさまざまな彼女らの喜怒哀楽を見てきてしまった手前、どうせなら彼女らの物語の1章を、幸せな結末で読み終えたい。

果南さんと話をしていると、冗談めかした話しの中にちらほらと揺れ動く気持ちが覗かれる。ねこさんは、さっぱりわからん。というか、多分、その先を知った時自分が虚しくなる事がわかっているので、避けて通っているのだろう。

仕事を終えてアコースティックライブへダッシュで。本当に渋谷駅から走った。1年半前、初めてねこさんが音楽を奏でる姿を見た箱へ、原点回帰。

息を切らしながら箱に入ると、衣装を着たねこさんがライブ最初の演者さんを見ていた。そしてふと自分の姿を見ると、表情を変えずそのまま楽屋へ消えていった。他のオタクさんだと名前を呼んだり話しかけたりするのに、自分の時はいつも目線を逸らしてさっといなくなるんだよな。ちぇっ。

ドリンクカウンターでビールを頼んで、注いでいるお姉さんの指先を眺めていたら、ツンと脇腹を突かれてうっとなった。振り返ると果南さんがいつものキリッとした目でこちらを見ている。右手は親指を立てている。

自分が時間ギリギリ到着だというのを知っていたので、間に合ったね、って意味だろう。自分は果南さんに向かって頷いて、注がれたビールのプラカップを持って観客席に座った。

ウダガワガールズ コレクションは期待通り、というか期待以上だった。他の演者さんのレベルも高く、演奏の後片っ端から声を掛けて、それぞれの演者さんのこれは何?これはどうやって弾いてるの?って所をインタビューして回った。

話しはもっぱら使っているギターの事と運指。皆共通で言うことは、最初から早く弾こうとするな、ゆっくりやれ。なるほど、やっぱ現場は一番役に立つな。



燎は他の演者さんとは別世界から来た、ある意味異端児だったけど、果南さんねこさんの歌声はやっぱり素敵で、アコースティック編成はどハマりだった。自分の耳に狂いはなかった、と思いたい。

燎は今回、他の演者さんには無いパターンを入れてきた。オケだ。最後の曲、"羽化" を途中までアコースティックで歌い、ふとした瞬間の後、ドラムのフィルインから間奏が流れる。

ガチの弾き語りイベントで皆独奏する中、そういう対バンだと100%わかっていてオケをぶっ込んでくるとは大胆な。けど、なんか一石を投じた感があって良い。とても燎らしいアプローチで、自分の中ではニヤニヤが止まらなかった。PAさんもグッジョブ。

燎はやっぱり燎だった。最高だったよ。



ライブが終わり、物販の時間。いつも通りの時間が流れる。ねこさんとは相変わらず噛み合わない会話。ねこさんはまた自分が反応できそうな話題で間を持たせてくれる。いつもありがとう。

2023年4月のブランチ (3)

ここのところでは珍しく、燎のイベントが何も無い週末、果南さんがかねてからやりたいと騒いでいたレクリエーションが開催された。バドミントン大会。

バドミントンはおろか、ろくに体を動かさなくなって久しく、翌々日に筋肉痛が来そうなんだけど、とりあえず参加してみる。

ねこさんがカメラを向けられていない時の、自然な笑顔を撮れたら面白いかな、と期待してみる。

案の定、ねこさんの笑顔は普段と違う、無邪気というか、幼い感じのねこさんの表情が見れた。きっと子供の頃はこんな顔してたんだろうな、という顔。果南さんや他の参加者の人の表情も色々撮れて、久しぶりに無防備な人の写真が撮れた。

果南さんは右手にラケット、左手にピザを持って羽根を打ち返す。多分世界でピザを食べながらバドミントンをしたのは果南さんだけだろう。貴重なシーンを見た。

ライブハウス以外でもこうやって会えるのは、とても不思議な感じがする。オフ会?というやつか。普段オンラインゲームの世界で会っている訳ではないからオフ会というのは違うのかもしれないけど、いつもと違うシチュエーションというのは悪くないね。



けど、やっぱりねこさんとの距離は遠くて、言葉を交わす事はほぼ無く終わる。たまにカメラを向けているのにねこさんが気づくと、ずっと顰めっ面の顔しか向けてくれない。

この顰めっ面は何?
うん、わからん。本当にどう解釈したらいいのか、どう受け取ったらいいのか。けど本人には聞けない自分がいる。

後日、弾き語りしている別の演者さんに燎のライブの話をした。燎がウダガワガールズ コレクションで変わった事したんだよ、って切り出したら「あ、オケ流した?」とすかさず返事が。

そういう感じなんだ。最近そこそこいるらしい。
時代は移り変わると、色々変わるものなんだな。














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