Dr. Nishino

研究者です。月惑星の電磁気っぽいこと、ピアノ、合唱ピアノ、フランスバロック音楽。 発言…

Dr. Nishino

研究者です。月惑星の電磁気っぽいこと、ピアノ、合唱ピアノ、フランスバロック音楽。 発言は関係団体の見解や方針と独立です。よろしくお願いいたします。

最近の記事

月面環境学(その2、宇宙プラズマ環境)

宇宙空間は真空で物質がなにもないということはなく、実際には電離したガスであるプラズマや太陽磁場・地球磁場などがあり、月はこのような宇宙プラズマや磁場の中を動いています。そこで、まずは月を取り囲む宇宙プラズマ環境を見ておきましょう。 月は約29.5日の周期で地球の周りを公転します。1回の公転周期のうち、月が地球磁気圏の内部に存在するのは満月前後の約4日間であり、残りの約25日間は磁気圏の外側にいて太陽風プラズマの直射を受けています。 太陽風プラズマ 太陽からは電離した気体で

    • 月面環境学(その1)

      はじめに 少し前のことですが、報道されているようにNASAのアルテミス計画に日本も参加することが決まりました。筆者はこれまでの約15年間にわたって月の環境(特に月面の電磁気環境)を研究してきており、地上観測や月周回軌道での探査によって得られた月環境の知見を一度よく整理したうえで今後の展望を見渡す必要性を感じていました。そして少し堅苦しい言い方になってしまうのですが、新たな学際的学術分野として「月面環境学」の創成を提案したいと考えています。とにかく、月の環境について既知のこと

      • 雇い止めになった研究者が次におこなう手続き

        私はいわゆる職業研究者に属する人間であり、研究者の雇用問題にも少なからぬ興味があるために、この記事を公開することにしたい。すなわち、所属していた研究機関での任期切れや雇い止めの後にすぐに次の研究職が見つからず「当面は無職」という状態になってしまった研究者が少なからずいると思う。その場合に当面の間(数ヶ月)にわたって食いつなぐために必要な行政の手続きをまとめておくので、必要に応じて参考にしてほしい。なお、任期切れや雇い止めの後にすぐに就職できても就職できなくても皆さんには逞しく

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      月面環境学(その2、宇宙プラズマ環境)