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藤井風「まつり」は今の時代の必然!

昨夜の「まつり」MVそしてサブスク解禁、みんな興奮の渦でしたね。
いやー、数日前ティザーだけ観ていた段階では、正直かなり風変わりな曲なのかと思っていました。
あれは、アレンジの一部分だけを切り取ってデフォルメして作ってあったのね。
そしてあの部分は本編でもループされてとても大事なテーマにもなってますね。いや、さすが。

簡単なレビュー。

まずは、この曲で藤井風の原点に返ったと思いました
ここ最近の「旅路」「きらり」「燃えよ」は、どれも名曲だしすごくヒットしたわけですが、どちらかというととても一般リスナーにウケやすい曲だったと思っています。
それはHEHNに収められている曲たちに比べると……であって、もちろん凄くアレンジも凝っているし使われているコードも複雑なのですが、それでもパッと聴いた時にはとても分かりやすい感じがする。大衆ウケする。

それが、この「まつり」は非常にHEHNの雰囲気に寄せてきている気がします。つまり、藤井風カラーが凄く際立って唯一無二の「藤井風」というジャンルにすっぽり入る、様々な音楽のテイストのミックスチャーになっていると思いました
ノリも良いしリズミカルであるけれど、ただのポップスというジャンルではくくれない、R&B感とかヒップホップ感も感じさせるし、もちろん和のテイストも入っています。なんとも複雑で何度聴いても飽きない。

サブスク聴いて再発見!

MV視聴のあと、今度はサブスクも解禁になったので早速聴いてみました。
あの色彩の素晴らしい「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせるような映像がないと、わりと洋楽テイストにも聴こえる~!ということを再発見
非常にオシャレです。
イントロは和楽器が入ってたり「はっはっはっ!」なんて合いの手もあってとても和風なのですが、Aメロから聴くと海外のポップスっぽい
Bメロ「花まつり夏まつり」でメロディが少し和風に転じ、そこからサビに入っていくあたりの自然なノリの盛り上がり、サビに入るとまた祭り感がアップし和風になっていく。
そして2番では歪んだギターの音がまるで雅-MIYAVI-みたいでロックしてる!カッコイイい!

コーラスや合いの手が駆使されている。

風さんの歌ですごくエモいのが彼自身によるコーラスやオカズ(?)的な歌詞のない部分の歌だと思っています。色っぽい低音やハリのある高音どちらも曲に魅力を加えていて大好きなのですが、この曲それが多くない?
これ耳に気持ち良すぎてもうたまらん(笑)!

「まつり」の歌が流行った時代。

1984年に、北島三郎の「まつり」、そして一世風靡セピアの「前略、道の上で」がリリースされています。(♪ソイヤーソイヤー!♪ってかけ声の、あの曲ですね。)
時代的には日本はバブルの終わり頃、「グリコ・森永事件」なんてのもありました。
ロサンゼルスオリンピックの年でもあったけど、フィリピンで大統領に対する大規模な抗議デモが発生したり、インドではガンジー首相暗殺とか、きな臭いことも起こっています。
日本はまだまだいい時代だったけれど、なんとなく混沌とした時代の入り口にさしかかった感じの年でした。

他に覚えているのはWhiteberryの「夏祭り」ですね。2000年にヒットしたのですね。
イチローが大リーガーになったりわりと明るいイメージがありますが、三宅島噴火なんてことも起こっています。
後から思えば大したことなく過ぎた「2000年問題」というのもあって、世紀末という漠然とした不安が漂っていたような記憶があります。

他にもあるかもしれませんが「まつり」というとこれらの曲を思い出しました。
そして今年、2022年、風さんの「まつり」です。
祭りというワード、そして祭りそのものの持つ威勢が良くて楽しいイメージもあり、かけ声や踊りのノリの良さも相まって、それだけでヒットの予感。
ましてコロナ禍の今です。ウクライナの有事もあって、やはり世界全体が不安の中にあります。
まさに混沌とした先の見えないこの時代に、風さんが放ってくれたのは、やっぱり風さんの一貫した人生観でした。
のっけから『愛しか感じたくない』ですよ。
誰に勝ちたいわけ?』『なかなか気づけんよね 何もかも既に持ってるのにね』ですよ。
そしてサビでは思いっきり心の開放を歌う

他に、私が特に注目したいのがここです。

僕が激しく泣いたせいで
君が派手に笑ったせいで
夏の暑さ身体を焦がして
冬の厳しさ骨身に沁みた

ここ、最初なんだろう?と思ったのですよ。
でも、続くこういう歌詞でなんとなくわかった。

まっ平らに生きられたら
真っ直ぐにそこへ行けたかな

大げさに嘆いたり喜びすぎたり、そういうことに心を奪われるのではなくて、平常心で平らな心で全てを受け入れなさいということではないかな、と。今までの彼のテーマが一貫してここにもある
そして『っしゃ今なら遅くはねーから』って言ってくれてる。
なんとも勇気づけられるではないですか。

生も死も同時の出来事、受け容れよう。抱きしめたら踊りなさいな、ですよ。

『帰ろう』『旅路』『もうええわ』にも通じるものを感じます。
この曲はこの時代に生まれるべくして生まれた曲だし、もっと言えば、藤井風はやはりこの時代に生まれるべくして生まれたアーティストなんだなと思いました。

この曲で一気に世界が近くなる!

MVの和風テイストな仕上がりも相まって、外人さんのウケもきっといいと思います。
外人さんは日本的なものにはものすごく憧れを持った人が多いからね。
FujiiKazeは間違いなく今年世界に向かうと思います。
そのあたりチーム風の周到な、賢い計算もしっかり入っていると思います。
だからこそのあえての「まつり」なんだな、と妙に腑に落ちました。
英語で歌詞も出てきますが、この歌詞はこの時代、全世界誰にでも刺さる気がします。

というわけで、例の如く独断と偏見で書き殴りました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
LASAは明日届くかしら。もうソワソワが止まりません(笑)

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