BLACKPINK『BORN PINK』ツアーはどんな内容? クリエイティブディレクターの発言からその全貌に迫る
9月にリリースした2ndフルアルバム『BORN PINK』でカムバックを果たしたBLACKPINK。現在彼女たちは同作を提げたワールドツアーを開催中で、11月末〜12月にかけてはロンドンやフランスなどを回るヨーロッパ公演を、そして2023年4月には東京ドーム、6月には京セラドームで待望の来日公演も控えている。
グループ単独でのステージはもちろん、これまで『コーチェラ・フェスティバル』や『SUMMER SONIC』といった大型フェスへの出演経験を経て、今では4人それぞれのソロ活動にも注目が集まるほど認知度・影響力を高めてきたBLACKPINK。そんな4人の最新ツアーにおいてクリエイティブディレクターを務めるAmy BowermanのインタビューがNME誌で公開。日本公演までまだ時間がある中、従来のステージからどのようにアップデートされたのか、記事内容を意訳しつつ最新ツアーの全貌に迫ってみる。
Dua Lipa、Ed Sheeranといったアーティストのツアーを手がけてきたAmyは、今年8月に発表された先行シングル「Pink Venom」のリリース前、今回のコンサートビジュアルとクリエイティブ面における方向性など『BORN PINK』ツアーのコンセプト制作に参加したという。その上で作り上げられた今回のツアーは4つのパートに分けられ、”BLACKPINKの全て”を表現しているそうだ。
女性的かつゴージャスなオープニングの後、力強いモノクロの世界が表現されるそうだが、それは「BLACKPINKの2つの側面」を表しているという。具体的には個人と強力なアーティストとしての両面を描き、その両方を讃えているとAmyは答えている。
また、AmyはYG ENTERTAINMENTとBLACKPINKメンバーとのディスカッションから「YGのチームはとても素晴らしかった」とも語る。K-POPや韓国の音楽業界をあまり知らなかったAmyは、当初このプロジェクトへの参加に不安を感じていたようだが、チームから歓迎されたことで刺激的な経験ができたという。
さらに、『BORN PINK』ツアーでは4人のソロパフォーマンスもフィーチャーしているとのこと。グループとしての公演で4人それぞれの魅力を表現することについて、Amyは以下のように語っている。
そのほか、BLACKPINKとBLINK(BLACKPINKファンの総称)との関係性、K-POPと欧米の音楽市場での違いついても明かしている。特に後者については「女性の制作チームと一緒に仕事ができたこと」を大きな違いとして挙げ、欧米では女性の照明ディレクターと仕事したことはなかったが、BLACKPINKチームとの会議の席に着いたら全員が女性だった、という。
ここ日本でも、もちろん欧米でも音楽に関連する仕事で多くの女性が活躍している。だが、音楽然り、圧倒的に男性比率が多いであろう業界や業種だからこそ、AmyはBLACKPINKチームとの仕事から色々と気づきを得たのだろう。そうしたマイノリティな立場や環境を、K-POPは業界的に改善しようとしているのかもしれない。
BLACKPINKをはじめ、ライブシーンの復興が進んだ2022年に新作を携えツアーへと旅立つアーティストが増えた一方、アフターコロナの世界でどんな姿を見せるか、それによってアーティストの持つ影響力やクリエイティビティにも変化が生じ、その後の活動にデメリットが生まれる可能性すらある。しかし、BLACKPINKの新たなライブパフォーマンスにはそんなネガティブな要素はないようだ。Amy BowermanがYGとBLACKPINKと共に作り上げた『BORN PINK』ツアー、その全貌は来年の日本公演で明らかになる。
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