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酒を飲んで思い出して忘れる

棚から中国酒の小瓶セットが出てきて、兄と全部飲んだ。

母曰く、知人の土産物らしい。度数12~43%とかの各種の酒を飲みながら、母・兄・姉と僕の4人で話し続けた土曜日の夜。

父の生前も、帰省のたびに家族で食卓を囲んで酒を飲みながらいろんな話をした。話の内容は都度都度のもので、もうあまり覚えてもいないけれど、それは自分の人生においてもとても大切な時間だったりする。東京で仕事をしながら、次の帰省を楽しみにし、帰ってきたらきたで、一番楽しみにしていたのは家族が集まっての食事だった。

宴もイイ感じになると、父がどこからか酒を出してきた。それは父が現役時代に海外で購入してきたバーボンとかスコッチとかブランデーとかだった。見たことの無いような酒を家族で酌み交わす夜はあっという間に過ぎ、楽しみにしていた帰省の時間はいつも瞬時だった。

今も片づけをしていると、古い酒が出てきたりする。2000年に買った21年物のスコッチが出てきたりして、そんなの製造年はいつ?とかってなる。飲むのも恐れ多いけど、それを飲むのが弔いだろうとか思ったりする。

まだまだ実家に酒はあって、日々懲りずに飲み続けては酔っぱらっていろんなことを忘れる。法事の時にお坊さんが「故人のことを思い出すことが弔いになる」みたいなことを言っていた記憶があって、父と一緒に酒を飲んだ記憶を酒を飲みながら思い出すことを、どうやらまだまだ続けていくだろう。

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