名曲662 「シンプル・ラブ」【大橋純子】

ーー滑らかな歌声とはこういうもの。圧倒的歌唱力ーー

【大橋純子 – シンプル・ラブ】

 シンプルなラブが一番。まるで恋愛強者のようなことを書いたがなぜか人はシンプルを嫌う。今までに経験したことのないようなドラマチック、ダイナミックを世の創作物は好む。トレンディドラマなどで隆盛を極めたその感覚はいつしか飽きられていき、徐々に平々凡々な内容の日常系が台頭しつつある。

{シンプル・ラブ 考えすぎねあなた シンプル・ラブ 心の向くまま 私の腕が居心地いいのなら そっと包んであげる}

 恋愛が複雑だと、どっちも大変だろう。と傍目にボーっと思う。

{シンプル・ラブ 生きてる悩みなんか シンプル・ラブ 此処では忘れて 触れ合う指が心の音楽を奏でてくれるのです}

 ボーっと。でもその歌声のおかげで徐々にテンションが上がっていくのがわかる。いい。この流れるような歌声。大橋純子のパワーだ。

{朝露に光る野バラに 安らぐ蝶のよう あなたと二人 季節のたわむれの中で幸福ならばいいの 何もいらない不確かな言葉は ぬくもりだけが欲しい ため息は街に煌めく}

 大橋純子はただ声のボリュームがあるのではなく、それをうまく生かして流れを作っている感じ。そんじょそこらの歌い手や声優ではできないめちゃくちゃ歌がうまい人の持つ力だ。それでいてこの力強い声質。まさに歌手になるために生まれてきたような存在である。

{青い木の葉のよう あなたと二人 季節のさざ波の中でゆらゆら揺れて踊る}

 徐々にラストの大サビへ。高まっていく。

{シンプル・ラブ 考えすぎねあなた シンプル・ラブ 心の向くまま 私の腕が居心地いいのなら そっと包んであげる}

 シャウトもアウトロも何もかも美しい。大橋純子の名曲として挙げても誰も異論はないだろう。

 うーむやはり惹かれる存在だ。美乃家セントラルステイションはバックでの演奏をしている。よく聴けばこちらもうまい。

 シンプルなラブが一番女性は安心する。男性だってその人のことを愛していればこの上なく安心だ。愛とはそういうものだろう。と哲学者の私。いいんです。ネット上じゃ誰だって哲学者なのです。大いに詭弁をふるって構わないのです。

       【今日の名歌詞】

触れ合う指が心の音楽を奏でてくれるのです



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