名曲491 「鉄腕アトム」【アトムズ】[鉄腕アトム (アニメ第2作)]
ーー原作をリスペクトしながら近未来を演出ーー
【Astro Boy 1980 Main Theme (Album version) (鉄腕アトム)】
編曲者は作曲者の影に隠れがちである。アレンジャーという言葉はどこか軽くも思えるのはなぜだろう。今回は編曲のおかげで一気に名曲入りを果たした(自論)例を紹介したい。
『鉄腕アトム』はもうおなじみだろう。以前にも平成版の主題歌を取り上げたことがあった。ZONE好きの方は探してみてほしい。今回は鉄腕アトムといったらやっぱりこのテーマ、主題歌の「鉄腕アトム」である。
1980年に放送された今作は1963年に始まった初代のリメイク。この頃は鉄腕アトム以外にもリバイバルがブームだった。古臭い印象を持たれていそうだったが、やはり元々が未来のロボットをモチーフにしたからか、デザインを変えるとしっくりくる。というか、1995年の作品といっても違和感がない。
話を戻して主題歌だが、まったく歌詞が変わっていないのだが、曲調は大きく異なる。テンポが速まり、当時のブームだったヒュージョンっぽい構成。キュインキュインと躍動感たっぷりだ。
そして極めつけは最後の転調。再び1番に戻る演出をしてみせた。これで一気に現代風に。
編曲者は三枝成章。当時は「なぜ初代のままにしないのか」と批判もあったようだが、当時をはっきり超える作品ではないかと個人的に思う。私は大賛成だ。実を言うと元々の主題歌はかなりテンポが遅い。60年代にありがちなのだが、ゆっくりだからといって歌いやすいわけではない。それは我々現代人がテンポの速い曲に慣れているのもあるだろう。
時代をガラッと変えたという点で、三枝成章の偉大さを思い知る。
歌詞についてはもう説明不要だろう。ちょっと余談をば。
つい先日、なぜか初代鉄腕アトムの最終回を見た。大昔のアニメ作品はまだ声優の技術が追いついていないのだが、そこに味がある。テンポのよさもなかなか。アメリカに影響されたのだろうか。
けっこう面白いし、それにラストがなかなかグッときた。一見の価値ありである。私レベルだと次番組の「悟空の大冒険」の主題歌も知っているのだが、名曲入りは残念ながら……。
【今日の名歌詞】
空をこえて ラララ 星のかなた ゆくぞ アトム ジェットの限り 心やさし ラララ 科学の子 十万馬力だ 鉄腕アトム
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