名曲753 「ドラマティック・レイン」【稲垣潤一】
ーー語彙力が決壊するくらいにドラマティックーー
【稲垣潤一「ドラマティック・レイン」】
稲垣潤一はシティポップに属するようだ。結構前から知っている私としては発掘した感がない。それだけ世間に浸透しているアーティストだと思う。いや、この声、歌唱力の持ち主は浸透していないといけない。
「ドラマティック・レイン」は聴けば聴くほど止まらなくなる中毒性の高い名曲である。何がいいってすべてなのだが、特にサビのメロディーラインが絶妙なのだ。それも稲垣潤一の声質とよく合っている。これが女性が歌うとちょっと落ちるのではないかと思うほど。「降り注いでくれ~濡れて二人は~」の部分が神。久しぶりにこの表現を使った。神である。
この時代は杉山清貴とかもそうだが、本当にきれいな曲、きれいな声の人が多かった。男女通じて。昨日の薬師丸ひろ子もそうである。それだけ逸材がいたわけで、作曲家も気合が入っていたのではないだろうか。この声に合うきれいなメロディーを作らねばと。だからこうやって質の高い曲が生まれていって、後世までシティポップという形で残っているわけだ。
「ドラマティック・レイン」はシティポップを知る前から知っていたのだが、改めて聴くとやっぱりいい。雨も滴るいい男。そう、稲垣潤一がかっこいいのも曲の魅力を高める要因の一つだ。雨との相性もいいですな。本当は梅雨の時期に書きたかったが、衝動が抑えられないと季節感を無視します。ドラマティックです。