名曲833 「魚座たちの渚」【井上昌己】

ーーキラリと光るサカナ。サカナ座たちの渚ーー

【井上昌己 / 魚座たちの渚】

井上昌己 / 魚座たちの渚 - YouTube

 井上昌己を知ったのは去年だった。いつものようにシティポップをダラダラと流していたところに巡り合ったのである。シティポップの特徴のひとつに綺麗なサウンドというのがある。都会の華やかな、キラキラしたメロディー。それに合わせて透き通る歌声というのも忘れてはならない。

井上昌己(Shoko Inoue) - 魚座たちの渚 1990 - YouTube

 全部満たしているのがこの曲であった。歌手の井上昌己は全然知らなかった。この曲で初めて存在を知ったのだが、井上まさみと誤読していたくらい。正しくはしょうこである。それにしてもお美しい。坂井泉水以来の衝撃じゃ。

 読み間違いといえばこの曲のタイトルもそうだった。「魚座」はうお座でなく、さかな座と読む。さかなざという単語は20数年生きてきたが使った試しがなく、仕方がないとはいえ、それはそれでオシャレだと思った。

 メロディーが特に秀逸である。作曲は芹沢和則。芹沢といえば私の中で芹澤廣明が浮かぶのだが、この方も実力は相当なもの。サビまでゆったり、それこそ魚のように流れるまま続けていく手法は個人的に大好きである。変に飾らず騒ぎ立てない品のよさも見受けられる。

 井上昌己の曲で有名なものは何だろうか。後世に残る曲は大概売上が大きかったヒットソングばかりである。しかし当時は1990年代前半(この曲も90年に発売された)で、伸び悩んでいたころだ。ヒット曲は限定的で、一部のいい曲は実力のわりに評価されていなかった時代である。これまでこのnoteではいくつもそういう曲を取り上げてきた。J-POP全盛期までもう数年かかるところだったのを、時代のせいで取り上げられなくなったのは痛い。

 今後もシティポップを中心に隠れた名曲を取り上げていくつもりである。

 

 

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