名曲740　「シングル・アゲイン」【竹内まりや】

ーー恨みつらみをメロディーにのせてーー

【: 竹内まりや - シングル·アゲイン.】

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　最近読んだ本の中に、一人の熱狂が大きな動きを生む（意訳）というフレーズがあった。普段、ぼっちでいることが多い私にとってはまさしく腑に落ちるばかりで、このnoteも然りである。傍から見れば何やってんだと思われることでも、いずれ、いずれきっと実を結ぶのだと。

　シングルは悪い事ではない。それはいまの価値観でいえば浸透していることだが、ひと昔前は強烈なコンプレックスになっていたのでないか。この曲を聴くとそう思うのだ。竹内まりやの「シングル・アゲイン」。曲調が穏やかとはいえ、歌詞の中身がそれはまあ心に刺さるものばかりなのだ。

　竹内まりやの歌い方がうまい。それこそ別れたばかりの、恨みがこもったかのようなおどろおどろしい雰囲気。普段は明るい声でも、こういう曲だと演出に力を入れている。

　その中でも「やっと本当のさよならできる」というのが刺さること刺さること。これはまだ未練があることを思わせる。そしてざまあみろと言いたげな「私と同じ痛み」という強調。そして鬱憤が晴れたかのように前述のフレーズを言ってサビを締める。

　構成もさることながらシンプルに歌詞、メロディーともに竹内まりやの中でも上位に入る出来。シングルアゲインになっていろんな思いを抱えている方はぜひ。私はね、アゲインじゃないのだよ。だから想像で楽しんでいるのだよ。