名曲440　「ゲレンデが溶けるほど恋したい」【広瀬香美】

ーー個人的冬曲の最高峰傑作ーー

【広瀬香美 / ゲレンデがとけるほど恋したい】

｛あなたとネ　今日がチャンスネ　次のステップ進みたいの　さっきからネ　気づいてるよネ　夜空にぎわす天使の羽根　今夜は積もるかもしれない　時間も電車も止まってほしい　つないだ手にギュッと力こめた｝

　歌詞だけで広瀬香美とわかるキュンキュン具合。いい。今回は冬の定番「ゲレンデが溶けるほど恋したい」を紹介する。この曲はミリオンヒットには至らなかったが知名度は高いはず。「ロマンスの神様」に並ぶ代表曲だ。

｛慎重にネ　なり過ぎるとネ　運命も途方に暮れちゃうよ　私をネ　失ったらネ　あなたの人生　終りだよ　コートの上から抱きしめといて　「ちょっと太った？」なんて聞かないで　性格変えた方がいいかもよ｝

　広瀬香美節炸裂。当時の若い女性はみんなこんな感じだったのだろうか。

｛絶好調　真冬の恋　スピードに乗って　急上昇　熱いハート　とけるほど恋したい　ブレイク寸前　幸せへのゴール　私だけに　White Love Song　歌ってほしいの｝

　素晴らしいハイトーン。スキーの直滑降を思い浮かべるではないか。「恋したい」のところはまさに絶頂。絶頂である。

｛最高潮　二人の恋　永遠誓って　急接近　流れ星に　願いをかけよう　私の未来は　あなただけのものよ　心からの　Sweet Love Song　聞かせてあげるよ｝

　二番のサビもまたいい。メルヘンチックな様子が微笑ましくもある。こういう周りが見えなくなるような表現を思い浮かべてこそ、恋する乙女である。それを意図しているのかはわからないが、広瀬香美の歌詞はその表現が絶妙だ。この路線で突き進んでもらいたかったのだが、後期では大人の歌詞を書き上げるようになった。

　ところでこの曲はあるデュエットが私の中で話題を呼んでいる。

　稲垣潤一ではなく中西圭三とのデュエットだ。中西圭三もたまげるほど歌がうまく、名曲も存在する。後々紹介する予定だ。その中西圭三がキーをやや落とすほどの曲というのが衝撃だった。改めて広瀬香美の化け物っぷりに驚く。

　90年代を代表する冬の定番ソング。いまでもスキー場ではおなじみの曲だ。私はスキーをもう10年以上していないが、脳内でハイになることができるので不満はない。そう、この曲のおかげである。

　　　　　　　【今日の名歌詞】

絶好調　真冬の恋　スピードに乗って