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名曲180 「今夜月の見える丘に」【B'z】

ーーしっとりバラードで私の心を鷲掴みにした罪深い名曲--

【今夜月の見える丘に】

 小さい頃、実はB'zをそれほど好きではなかった。当時からすでにB'zは大人気を誇っていたのだが、どうも私には受け入れられないというか、アクが強くて拒否反応を起こしていたのだ。ウルトラソウルやら愛のバクダンやらテレビを付ければ耳にするB'zの曲を、どうも耳障りに感じていた。

 実際、売上もいいしキャッチーなメロディーが多いしで、熱狂的ファンも多い。しかしである。どうも過大評価なのではないかと。このくらいのビーイングなんてたくさんいたぞと(これは中学生時代の感想)。稲葉の声もうるさいだけだと。

 そう文字に書いてしまうときつめの表現になってしまうが、ご安心いただきたい。その評価を覆すとんでもない名曲だと思うのに出会ったことで見る目が一気に変わった。

 アクが強い声に拒否反応を起こした私に、こういったバラード曲はちょうどよかった。激しいサウンドよりもこれくらいがいい。すると稲葉の声質のよさがググッとわかったわけである。

{手をつないだら 行ってみよう 燃えるような月の輝く丘に 迎えにゆくから そこにいてよ かけらでもいい 君の気持ち知るまで 今夜僕は寝ないよ}

 しっとりとしながらも盛り上がりのある絶妙なバランス。思わず体を揺らしたくなる。このサビを聴いてB'zのよさがわかった。

{手をつないだら 行ってみよう まんまるい月の輝く丘に 誰もがみんな照らしだされて 心の模様が空に映ってる いつでもそうやって笑ってないで かけらでもいい 君の気持ち知るまで 今夜は一緒にいたいよ}

 最後の畳み掛けるサビも素晴らしい。くどさもない。

 余談だが、B'zの松本は高校時代、ずっとギターを弾き続けていたそうである。周りの冷ややかな声や目線にも負けず黙々と(これは当時同級生だった父の証言)ギターを続けていたそう。それがあんなに大成するとは、サインをもらっておくのだったと後悔したとか。

 好きなことに真っ直ぐ向かっている人間は美しい。それがどんなものであろうと、いつかその道でとんでもない人物になっているかもしれない。だから何かに熱中している人に対し批判や冷ややかな目で見てはならない。そうしている人は、そういった熱中できるものがなくて嫉妬しているだけなのだ。

 B'zは今後も取り上げていく予定。一度いい名曲を知ると、それまで嫌いだった曲も見る目が変わってくる。不思議なものである。

          【今日の名歌詞】

手をつないだら 行ってみよう あやしい星の潜む丘に 茂みの奥へと進んでゆこう 怪我してもいい

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