名曲966　「おそかれ はやかれ」【風】

ーー由緒正しきフォークソング。いまでこそ新鮮ーー

【おそかれ はやかれ】

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　最近は90年代の曲を取り上げ過ぎていた。元々はそういうnoteではなかったのだが、ストックの大量消化をしていくうちに見返してみるとそれで溢れかえっていた。ここらで古き良き曲を。

　風というバンド名はいまじゃ絶対につけないだろうなあと思う。いっそのこと清々しいし、普通は悪くないのだが、サジェストで引っかかりにくいのだ。風と検索しても間違いなく風や風邪が出てしまうだろうし。そういう面で昭和の匂いがして好きなのだ私は。

　メロディーと歌詞のゆるさがたまらない。何よりこのタイトルよ。もう味が染みているなんてもんじゃなく、出された瞬間に熟成度がわかる代物である。週刊誌というワードや、語尾の「の」とか、ああ染みている染みている。じょわあと出ているのです。

　意外と昔のフォークソングは皆のイメージにあるようなものでなく、どこかしら工夫していたり、洋楽の香りをまぶしていたりする。私は２人時代のオフコースしか頭になかったが、この風もいいじゃないか。これぞまさしくフォークソングだ。

　しかしどうやら大ヒット曲には恵まれなかったようで、現在じゃ知る人ぞ知る存在と化している。もう50年は経つのだろうか。それじゃ若い人が知らなくても当たり前。だからこそ私は聴くのである。きっとおそかれはやかれ、知れ渡るはずである。