名曲275 「カントリーロード」【本名陽子】[耳をすませば]

ーー夏休みにぴったりの甘酸っぱいジブリ作品ーー

【カントリー・ロード 【合唱】】

 私がいちばん好きなジブリ作品は「耳をすませば」である。最初に見たのは中学生くらいだっただろうか。同じ青春を歩んでいた時期でもあったので共感と甘酸っぱさでいっぱいになった。視聴後は胸がスーッとしたのを覚えている。そして母親によさを語ったっけ。

 その主題歌が「カントリーロード」だ。本名陽子はジブリ好きなら早押し即答レベルの著名人。本作の主人公月島雫の声を担当する。そのまま主題歌も歌うことになったのだが、この透明感というか、飾らない自然体の歌声がたまらない。適役だったように思う。

{カントリー・ロード この道 ずっとゆけば あの街に つづいてる 気がする カントリー・ロード}

 元々は外国の曲なのは有名だ。しかし日本民謡だといわれても不思議でない落ち着いたメロディー。心が安らかになる。ちなみに私は小学生の音楽の授業で習ったのが最初の出会いで、映画を見て「ああ、あの歌だったのか」と驚いたのを覚えている。

 こちらもオススメだ。オリビア・ニュートン・ジョンの代表曲である。今回は日本バージョンを。

{ひとりぼっち おそれずに 生きようと 夢みてた さみしさ 押し込めて 強い自分を 守っていこ}

{歩き疲れ たたずむと 浮かんで来る 故郷の街 丘をまく 坂の道 そんな僕を 叱っている}

{どんな挫けそうな時だって 決して 涙は見せないで 心なしか 歩調が速くなっていく 思い出 消すため}

 歌詞が素晴らしい。健気な様子がうかがえて日本人好み。雫の姿も浮かんでくる。

{カントリー・ロード この道 故郷へつづいても 僕は 行かないさ 行けない カントリー・ロード カントリー・ロード 明日は いつもの僕さ 帰りたい 帰れない さよなら カントリー・ロード}

 終わり方もかなり切ない。それでも暗いままではなくどこか希望を残したアウトロ。絶妙な塩梅なのだ。切なくとも明るい曲は天沢の本好きに匹敵するほど私好み。

 冒頭に書いた胸がスーッとする感覚。それはこの曲のおかげであった。「耳をすませば」の作品についても熱く語りたいのだが、ぐっとこらえて終わりにさせていただく。どうか「やなやつ!やなやつ!やなやつ!」と思わないでほしい。

       【今日の名歌詞】

歩き疲れ たたずむと 浮かんで来る 故郷の街 丘をまく 坂の道 そんな僕を 叱っている



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