名曲953 「ベイ・ブリッジも泣いている」【宇都美慶子】

ーー90年代は謎名曲の宝庫ーー

【宇都美慶子「ベイ・ブリッジも泣いている」1991】

宇都美慶子「ベイ・ブリッジも泣いている」1991 - YouTube

 宇都美慶子はNACK5に出演しているそうで、ラジオで活躍中という。元気な語り口が特徴のようだ。パーソナリティの紹介文に書いてあったビタミントークとはなかなかの良フレーズ。

 今回の曲もなんだか元気をもらえる。スキップしたくなるような軽快なテンポに、みずみずしい澄んだ歌声。伸びが非常にいい。間違いなく不快になることはない。気持ちが沈んでいてもずっと聴いていられそうだ。

 霧雨をベイブリッジの涙に例えている。霧雨というのが優しい。大雨じゃ号泣になってしまう。ところでベイブリッジというのがやや時代を感じさせた。1989年に開通したのだが、この曲は1991年に発表されたからで、できたばかりの横浜の新たなシンボルを歌にしたのである。正直、今じゃ古臭さまであるほどだ。これが時代が時代ならレインボーブリッジになっていただろうか。語呂が大変そうだが。

 90年代の前半は隠れた名曲が多い。そして極端に知名度が低いものを私は「謎名曲」とも言うようになってきた。誰も知らないだろうなあ、カラオケにも収録されていないだろうなあと思うと、もはや謎の領域になってきて、その曲がどんなものか、なぜ評価されなかったのかのダブルミーニングというわけだ。この曲はどうやらアルバム曲らしく、知名度も1%未満だろう。

 街の商店街とかで流れていてもおかしくない清涼感抜群のこの曲、横浜の皆さんどうでしょうか。梅雨のいま、雰囲気も合いますよ。

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