見出し画像

【確定情報】音楽芸術研究会 第一回研究例会

※7月24日以前に公開していたGmailアカウントの設定に不備があり、研究会のメールアドレスを変更いたしました。既に申し込みをされた方、大変恐縮ですが今一度ご連絡をお願いいたします。(2024年7月24日)
※スケジュールの変更がありました(2024年7月19日)

研究例会をオンラインで開催いたします。
開催日: 2024年7月29日
開催時間:18:50 オンライン開場
     19:00 例会開始
参加費: 無料
申し込み:氏名、所属(あれば)、メールアドレスを明記し、件名に第一回研究例会参加希望と明記の上、music.and.arts.reserch(at)gmail.com までご連絡いただくか、下記フォームにて同様の内容をご記入ください。
https://x.gd/wkupy
折り返し、オンライン開場のURLをお知らせいたします。

研究例会タイムスケジュール

 18:50~     オンライン開設
 19:00    研究会開始
        研究会会長挨拶: 寺園未希
 19:10-19:40 発表者① 安元麦
 19:40-20:10 発表者② 宮本愛梨
 20:10-20:40 発表者③ 加藤勲
 20:40-20:55 ラウンドテーブル
 20:55    研究会副会長挨拶: 安元麦

司会: 伊良波賢弥 (非文字資料研究センター研究協力者)

発表タイトルと要旨

発表者① 安元麦 (沖縄県立芸術大学大学院 芸術文化学研究科 後期博士課程)

タイトル:
天台声明における声の役割について ー「法華懺法」を中心にー
要旨:
 発表者は現在、伝統音楽であり仏教音楽である声明を取り入れた作品の作曲について研究している。仏教の実践には唱題や念仏、禅における坐禅や密教における「身密」等、現在まで続いている日本の仏教では人の身体性に着目した修行に重きが置かれる側面がある。その始まりは平安時代に最澄(766または767〜822)がもたらした天台宗における教学研究、空海(774〜835)がもたらした真言宗における密教の実践、または空海が著書を通して展開した高度で哲学的な教学の思索に求めることができる(天台宗の儀式である「法華懺法(ほっけせんぽう)」、空海が著した『声字実相義(しょうじじっそうぎ)』など)。最澄が唐に留学して学んだ中国の天台宗や奈良時代に発達した南都六宗(法相、倶舎、華厳、律、三論、成実)は「学問仏教」としての性格が強く、もっぱら僧侶といえば鎮護国家を目的に養成された学僧を指し、教学研究が主な宗教としての活動だった。しかし、最澄と空海によって、仏教には教学研鑽と身体による教学実践の両輪が求められるようになる。そして、その傾向は比叡山で学んだ鎌倉新仏教の宗祖6人(法然、親鸞、一遍、栄西、道元、日蓮)にも受け継がれ、今日の日本仏教13宗派へとつながる。今回中心的に取り上げる天台声明もまさに「身体による教学の実践」に他ならない。では、なぜ宗教実践で「声」に注目がなされてきたのか。天台宗の主要な法要儀礼の一つである「法華懺法」(ほっけせんぽう)を取り上げ、大内典の論考を主に辿りつつ、法要において使われる「鳴らしもの」(打楽器)である「鈸(はち、はつ)」や「木魚」と法要の構成との関係に注目して観察し、「法華懺法」における「声」の役割について考察する。天台声明にしかない「美学」を音楽的な分析を通して最終的に導くための予備考察として今回の発表を位置付けたい。

発表者⓶ 宮本愛梨 (総合研究大学院大学 研究生)

タイトル:
 越境する踊りと人~日本でマリネラを踊るペルー人~ 
要旨:
 本研究の最終目的は、ペルーの民族舞踊のひとつであるマリネラを日本で実践するペルー人の活動と、それから観察できるエスニシティを追究し、移民の世代間エスニシティの保持および変容の現象と、そのメカニズムを明らかにすることである。
 今回は、「移民」や「エスニシティ」というテーマに踏み込む前段階として、マリネラという踊りを初めて耳目にする人を想定した概要報告を行う。これに加えて、今後エスニシティに言及する際の観点となりうる、マリネラを実践する人々の具体的な活動や行動、発言等を紹介し、考察を述べる。    

発表者③ 加藤勲 (沖縄県立芸術大学 音楽芸術研究科修了生)

タイトル:
 ブラジルのエスコーラ・ジ・サンバの団体旗にみる表象と音楽との関連
要旨:
 ブラジルを代表する文化であるサンバ・カーニバルにおいて、サンバ(Samba) を実践する団体であるエスコーラ・ジ・サンバ(Escola de Samba、以下エスコーラ)の旗に象徴として描かれた楽器とサンバ音楽の関連について報告する。エスコーラの旗は、その団体内外へ向けて団体の権威を示す為に用いる。その旗の象徴には楽器・動物・人物・王冠などが描かれ、同団体はそれぞれの団体自身の象徴を描いた旗を持ち、その活動の中で使用する。従来の研究では、旗の権威と旗に伴う踊りの意味について明らかにされてきた。しかし、旗そのものに注目してそこに描かれた象徴を取り扱った研究はない。そこで本発表では、エスコーラの旗に描かれた楽器を分析し、エスコーラのサンバを視覚的に表現する象徴と、パレードにおいて大多数の参加者で行うサンバの表現を一致させる音楽のリズムとの関連について考察した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?