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バッハ エピソード1 写譜

バッハは、9歳のとき、母を失いました。
父はまもなく再婚しましたが、翌年亡くなってしまいます。
そこでバッハは、小さな町オールドルフでオルガニストをつとめていた長兄、ヨーハン・クリストフのもとにひきとられました。

このオールドルフ時代(10~14歳)に、バッハは長兄からクラヴィーアの手ほどきを受けたといわれています。

上達はめざましく、兄の与える曲を次々と征服。
バッハは長兄の秘蔵していた楽譜集を彼の目を盗んで夜中に持ち出し、月明かりを頼りに、半年がかりでこれを写譜して勉強しました。

月夜に夢中で写譜するバッハ

しかし、この写譜は間もなく完成というところで兄の気付くところとなり、書き写したものは全て取り上げられてしまいます。

バッハにとってそれはとても苦い経験であったとはいえ、取り上げられたはずの音楽はすでに頭の中に鳴り響き、この写譜のおかげで彼の音楽才能が大きく花開くきっかけとなったに違いありません。

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