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バッハ エピソード23 マルシャン未対決
前回のお話:バッハはワイマールを離れ、ケーテンに就職することを決めます。
1717年、ケーテンへの就職が決まったバッハはドレスデンへ旅行します。その頃、音楽的に最先端をゆくドレスデンの音楽に触れ、これからのケーテンでの活動に向けて世俗器楽曲の作曲の準備勉強をしたかったためではないかと言われています。
その時、ドレスデンの宮廷から、ちょうど同じく滞在していたマルシャンと音楽で競演することを提案されました。1706年からフランス・ヴェルサイユ宮廷のオルガニストであったルイ・マルシャン(1669-1732)。
しかしバッハが会場(フレミング伯爵の家)に到着した時には、マルシャンは恐れをなしてドレスデンから逃げ出しており、競演は実現しなかったということです。
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競演を楽しみに集まった人々の前で、バッハは見事な演奏を披露し、ザクセン選帝侯からは報奨金が用意されていましたが、なんと、その賞金を宮廷に仕える使用人にまんまと騙し取られてしまいました。
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このエピソードは、音楽上、先進国のフランスの音楽に対し、ドイツ・バッハの音楽が勝った!として、痛快な話題として採りあげられたのではないかと言われています。
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さて、突然ですがアンクルバッハからクイズです。
Q: バッハがルイ・マルシャンとの競演で演奏したとされる曲目はどちらでしょう?
ブランデンブルク協奏曲
フランス組曲
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A: 答えは 1. ブランデンブルク協奏曲です。
《ブランデンブルク協奏曲 第五番》BWV1050の初稿が演奏されたという説が広く受け入れられつつあります。
この作品にあらわれる突出したチェンバロ独奏はこうした機会にふさわしいものであり、しかもロ短調の美しい第二楽章は、マルシャンの《フーガ ハ短調》の旋律を、主題として用いているからです。
※競演とは、出された主題をお互いに即興的に曲にまとめ上げて腕を競うことです。
礒山雅 著 バッハ=魂のエヴァンゲリスト (講談社学術文庫) より
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