コードを覚えよう17 〜平行調で考えるマイナースケール

F→Fmの転回形の勘違い、スケールを覚えている、音名を考える習慣がある、それなら間違えないよね、そう思った人もいるでしょう。

そういえば、マイナースケール(短音階)をまだ説明していませんでしたね。

楽譜は何となく読めて理解できる、調号をみてKey(調)を推測できる、その場合は、平行調から覚えていきましょう。

平行調とは、同じ調号を持つ2つのKey(調)、のことです。

え、2つ?無理じゃない?

Cmajor は、スケールを弾いていくと#も♭もつかないKeyでした。

何と、スケールを弾いて#♭どちらもつかないKeyがもう1つ存在しています。

Aのナチュラルマイナースケール

Cの短三度下の音から、#♭どちらもつけずにスケールを弾くと、Aのナチュラルマイナースケール(イ短調の自然的短音階)になります。

A B C D E F G Aは、
 全 半 全 全 半 全 全

という並びになっています。
けれど、この自然的短音階はあまり使われません。各種スケールの練習が載っている教本でも、ナチュラルマイナースケールはほとんど省かれています。

一般的に使われているのは

Aのハーモニックマイナースケール

こちらの、ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)と、

Aのメロディックマイナースケール上行形

メロディックマイナースケール(旋律的短音階)になります。
メロディックマイナースケールの下行形はナチュラルマイナースケール(自然的短音階)を使用します。

それぞれ音程をみてみますと、

ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)
A B C D E F G# A
 全 半 全 全 半 全 半

メロディックマイナースケール上行(旋律的短音階)
A B C D E F# G# A
 全 半 全 全 全 全 半

Ⅶ度からからルート音Ⅰに移るところが半音になっています。
Cmajorのドミナント→トニック、G7→Cを思い出してみましょう。

G→G
F→E
B→C

1番下のB(Ⅶ度)→ルート音C(Ⅰ度)は半音ですが、B♭→Cのように全音になるとしたら、ドミナントからトニックに進む感じ、トニックで終わる感じが薄れてしまいます。

ドミナント→トニックは、

Ⅶ度→ルート音が半音

である必要があるので、マイナーもそれに合わせて、臨時記号をつけて、Aminorならば

Ⅶ度G#→ルート(Ⅰ度)A

と、なります。

黒鍵に苦手意識がある場合は、こちらの平行調から弾けるようにするのがオススメです。

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