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新・オーディオ入門94 ノイズ対策編 ノイズの種類・スピーカーにまつわるノイズ

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

スピーカー自身は増幅回路もなく、電源も必要ありませんが、ノイズを発生させたり、パワーアンプがノイズを発生する原因となることもあります。

● 入力オーバー
スピーカーは一定入力が加わると歪が増加し、さらに大きな入力が加わると『バリッ』というようなノイズを発生します。 音楽信号はその平均値に対して、最大値が10倍以上になることがあります。 とくにクラシックのようにピアニシモからフォルテシモまでが1曲の中に存在するような曲では入力オーバーになる可能性が大きく注意が必要です。 入力オーバーは口径の小さいスピーカーで起こりやすくなります。大音量で再生する場合は口径10cmのスピーカーはおすすめできません。

● f0(最低共振周波数)以下の超低域での歪
低域の再生を担当するウーハーはf0(最低共振周波数)以下では一般的な音楽再生での振幅以上に大きな振幅になる場合があります。 また、f0以下の超低域の音は、人の耳の感度が下がる領域であるため大音量が発生していても気づかないことも多く、 知らない間にノイズが重畳していることもあります。

● 逆起電力
スピーカーは電気信号によって音が再生されますが、逆にスピーカーのコーン紙が動くと電気が発生します。 これを逆起電力といい、逆起電力がスピーカーからパワーアンプへと逆流し、パワーアンプのNFB回路からパワーアンプ初段にもどり、 歪成分が増幅されてスピーカーで再生されるという悪循環になります。

● エンクロージャーの共振
強度が高いエンクロージャーをもつスピーカーであっても、寸法や板厚によっては特定の周波数で異常な振動が発生することがあります。 これを共振現象といいますが、共振した周波数で音楽が不自然に強調されたり、耳障りな音質に変化したりします。

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