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新・オーディオ入門14 サブウーハー

カタログの周波数特性が50Hz~20KHzというブックシェルフスピーカーでオーケストラやビックバンドを再生すると低域が少し物足りないと感じることがあります。 『50Hzを基音とする楽器はわずかしかないのにどうして?』と思われるかもしれません。 スピーカーシステムのカタログに掲載されている周波数特性は中域に対して音圧が-10dB(約1/3の音量)になったポイントを下限周波数として表記します。 つまり、50Hz~20KHzのスピーカーは、中域に比べて50Hzは音量1/3だという事を意味します。

さらにこの『-10dB』を悪用するスピーカーメーカーも。 例えば、50Hz~200Hzで音圧が-9.9dBであったとしても、 -10dB以下になるのが50Hzであれば、カタログ上の周波数特性は50Hz~20KHzと表記されます。 このようなスピーカーでは200Hz以下の低域の音量は1/3しかでていないのですから低音が物足りないのも当然です。

スピーカーメーカーでは少しでもカタログ上のスペックを良く見せようとします。 スピーカーメーカーを擁護するわけではありませんが、 『49Hz~20KHzのスピーカー』と『50Hz~20KHzのスピーカー』では『49Hz~20KHzの方が良いスピーカー』と単純に考えるユーザーにも責任の一端があるかもしれません。

小形スピーカーで低域が物足りなときに超低域だけを補完するのがサブウーハーです。 嘗てはサブウーファーを1本で再生するという時代もありました。 100Hz以下の超低域は指向性がないのでステレオ音源といえども1本で十分だと思われていたからですが、 現在では100Hz以下も指向性は感じる事ができると考えられており、2本のサブウーファーが必要だとする意見が大勢です。

また、部屋の隅に設置されることが多いサブウーハーですが、サブウーファーといえどもスピーカーです。 どこに設置しても良いわけではなく、メインスピーカーに準じるような位置に(メインスピーカーと並べて)設置しなければなりません。

他に調整も重要で、音圧やカットオフ周波数、位相等、細かな調整も必須です。

これらを無視しサブウーファーを使用するとボンボンというだけの低音となりますので注意が必要です。