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新・オーディオ入門181 デザイン編 デザインに関する取り組み2

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

ここでは前回に続いて、ムジカ製品のデザインに関する取り組みをご紹介したいとおもいます。

● 空気流通孔や窓のデザイン
空気流通孔とはパワーアンプのような発熱するオーディオコンポーネントのケースに開けられた放熱のための穴です。大きくなるほど放熱は促進されますが、指が入るほどの大きさの穴になると小さなお子さんが指を入れ事故になることも考えられます。そのため一般的なオーディオコンポーネントではスリット状の小さな穴を複数あけることが多いのですが、これではなんとも味気ないものになってしまいます。ムジカRaicho7ではバイオリンなどの弦楽器のf字孔を模した空気流通孔を採用しています。

また、真空管バッファアンプの真空管のヒーターが点灯しているかを確認する窓には、米フェンダー社が1952年に発売したエレキギター「テレキャスター」のトップの形をしています。

現代の国産オーディオコンポーネントではこういったデザインは見かけませんが、1960年代の古い真空管ラジオには遊び心あるデザインを見ることができます。当社の試聴室にはデザイン上の資料とするために古い真空管ラジオが展示されています。

● フロントパネルのカラーやトップパネルの素材
オーディオコンポーネントのフロントパネルはシルバーやシャンパンゴールドであることが多いのですが、ムジカでは着色が難しいクリスタルブラックと呼ばれるピアノ仕上げのような黒や、ツヤを50%に抑えたピストルなどに使用されているサテンブラックを用いています。これらは色に統一感を出すのが難しいのですが、高度な技術をもった協力工場がそれを実現しています。また、トップパネルには石材を用いることもあり、Raicho7では、インド産天然石『スターギャラクシー』を、Cuculoではノルウェー産天然石『エメラルドパール』を使用しています。

これらの石材は『石』と『宝石』の中間に分類される高価な石材で『貴石』と呼ばれます。ムジカ製オーディオコンポーネントは単なる工業製品ではなく、楽器のように音楽を奏でるツールのひとつであると考えてデザインされています。

ムジカ公式ウェブサイトでは『新・オーディオ入門』のすべての記事の他
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