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新・オーディオ入門157 図表編 周波数特性図1

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオメーカーのカタログや取扱説明書には周波数特性図が登場することがあります。 周波数特性はオーディオコンポーネントにおいて特別重要な特性のひとつです。 例えば『100w』のパワーアンプでは、すべての周波数で100w出力できるわけではありません。 1KHzを中心とした中域では100w出力することは可能ですが、高域でも低域でもパワーは落ちてきます。 同様にスピーカーも、低域から高域までどの帯域でも同じ音圧レベルで再生できるわけではありません。 どの周波数でどの程度落ちるのかをグラフ化したものが周波数特性図です。 縦軸は出力をあらわしており、プリアンプの周波数特性図であれば出力電圧(単位:V・ボルト)、パワーアンプであれば出力電力(単位:W・ワット)、 スピーカーであれば出力音圧レベル(単位:dB・デシベル)です。 プリアンプやパワーアンプの周波数特性図の中にはdBで表示されているものもあります。 基準となる出力の値を設定し、その出力に対して上がっているか、下がっているかが表示されています。 基準点は1KHzにおかれることが多く、0dBとされます。 横軸は周波数をあらわしています。単位はHz(ヘルツ)またはKHz(キロヘルツ)です。1KHz=1000Hzです。 横軸は一般的なグラフではあまり使用しない対数方眼になっています。横軸だけが対数方眼で縦軸は通常の方眼なので、これを片対数方眼といいます。 ヒトの可聴周波数は20Hz~20KHz。ハイレゾ対応のアンプともなれば10Hz~80KHzにもなります。 これほど広い範囲を通常のグラフで表示することは困難です。 そこで周波数の低い方を対数を使用して細かく表示することで見やすいグラフとすることができます。 グリーンの囲い部分を拡大したものを下側に掲載しました。対数軸の読み取り方は特殊です。 囲いの部分のように数字が大きく成るほど詰まっていき、一桁上がると元の幅に戻ります。参考にして下さい。 片対数方眼は紙の方眼紙としても文房具店で販売されています。 また、PDF化したものを方眼紙ネットさんのページからダウンロードすることもできます。 このページでは両対数方眼もダウンロードすることができます。

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