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新・オーディオ入門126 『2024.1.16 NFB』の用語解説

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

これまで書いてきた新・オーディオ入門の記事の中から解説が必要な用語を取り上げています。

● 正相 / 逆相
スピーカーとパワーアンプにはプラスとマイナスの表示がなされています。 通常はパワーアンプのプラスとスピーカーのプラスを、パワーアンプのマイナスとスピーカーのマイナスもまた接続します。 このように正しく左右のスピーカーが接続した状態を『位相は正相』と表現します。 もし右のスピーカーは正しく接続し、 左側のスピーカーだけをパワーアンプのマイナスとスピーカーのプラスのように逆向き接続した場合を『位相は逆相』と表現します。 正相で接続された場合、左右のスピーカーからの音圧は加算され音量が増加して聴こえますが、 逆相で接続されている場合は左右のスピーカーの音がお互いを打ち消し合い音量が低下して聴こえます。 ただし、位相は相対的なものであって絶対的なものではありません。 もし、左右両方のスピーカーがパワーアンプのマイナスとスピーカーのプラスのように逆向き接続ではあっても左右が揃っている場合には『正相』になります。

● ダンピング
現在ではスピーカーの『ドライブ能力が高い』=『ダンピングが効いている』という意味合いで使用されることも多いようですが、 本来の意味はパワーアンプから出力される音楽信号がスピーカーを忠実に動作させている状態を指します。 音楽信号において曲間の無音部分は『音がない』のではなく、『無音という音楽信号が再生されている』のです。 『音がない』ということであれば、アンプが接続されていない状態と同じです。 これではスピーカーのコーン紙は外部からの音圧で不要な振動をしてしまいます。 『無音という音楽信号が再生されている』ということであれば外乱によってスピーカーが動くことはなく 外部に雑音源があったとしても無音の状態を保持し続けます。 『ダンピングが効いている』状態とは、たとえパワーアンプの出力が無音であってもその無音の信号に忠実にスピーカーが動作し、 無音を続ける能力が高いということになります。

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