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新・オーディオ入門20 トーンアームの特徴

レコード盤の溝は外側から内側へと刻まれています。その溝に沿ってカートリッジを移動させ適正位置で再生できるようにする機構がトーンアームです。

トーンアームは以下の点が重要です。
● レコード盤の溝の振動をピックアップするためしっかり固定されている
● レコード盤の溝に沿ってカートリッジをスムーズに移動させる
● 外部からの振動に影響されない
『しっかり固定』、『スムーズに動く』、『外部の影響を受けない』という矛盾する3つの条件をクリアするため色々な工夫がされています。

≪ワンポイントアーム≫
『スムーズに動く』に注目したのが『ワンポイントアーム』です。ヤジロベエのように針の先にバランスをとってアームが乗っかっているような状態のトーンアームです。このタイプは確かに『スムーズに動く』のですが、『しっかり固定』には程遠く、外部の振動によってバランスが崩れてフラフラすることも。調整が難しいトーンアームです。

≪ナイフエッジ≫
ワンポイントアームの針をナイフのような板に代えた構造です。そのためカートリッジは横方向にフラフラすることはなくなり、縦方向だけ敏感に動くようになります。ただし、カートリッジの位置を移動させるためにトーンアーム全体を回転させるベアリングが必要になり、ベアリングの精度がアームの良し悪しを左右します。

≪ハイコンプライアンス型≫
正確にはハイコンプライアンス型カートリッジに対応したトーンアームとなります。感知レバーが僅かな力でも動くよう感度を高めたカートリッジに敏感に追従させるため極端に感度を高めたトーンアームです。感度を上げるため各パーツが軽量化され、アームの長さも短く軽量に作られています。

これらはほんの一部。各メーカーによってさまざまな工夫がありますが、矛盾する3つの条件をクリアすることは不可能で絶対的なものはありません。