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新・オーディオ入門169 測定器編 VUメーターとピークメーター

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

● VUメーター
VUメーターはvolume unit meterの略で音量計を意味します。 戦前アメリカで電話回線の信号が適正レベルであるかをチェックするために開発されました。 通常、文字盤はdB(デシベル)を単位とし、0dBが基準となり、-6dBでは基準値の半分のレベル、6dBでは基準値の2倍のレベルというように読み取ります。 音響機器は基準レベルを大幅に超えた電圧が入力されると歪が急激に増えます。 また、基準値を大幅に下回る電圧ではノイズに埋もれてしまい、いずれにしても信号の質が悪化します。 もちろん、0dBを超えるとすぐに歪が増大することはなく、ある程度の余裕をもっています。 一般的に信号の平均値が-6dBくらいが適正であることが多いと思います。 VUメーターは単独の測定器としても存在しますが、録音機やプリアンプ等に内蔵されていることが多い測定器です。 また、最近ではLEDを使用したものも多くなっています。

● ピークメーター
ピークメーターはVUメーターの一種です。信号レベルを測定するのは同じですが、ピークメーターは最大値を検出して表示します。 クラシックのようにピアニシモとフォルテシモの音量差が大きいと瞬間的な最大値が適正値を大幅に超えてしますことがあります。 こういった瞬間的な最大値を監視するのに有効です。ピークメーターはピークホールド型と、一定時間が経過するとリセットがかかるタイプがあります。 ピークホールド型はピークを検出すると針が固定されます。さらに大きなピークを検出すると表示される値が増えます。 この状態は別途リセットスイッチを動作させるまで継続されます。 一定時間が経過するとリセットがかかるタイプはピークホールド型をベースに数秒ごとにリセットされる回路が追加されているものです。 一般的なピークメーターはこのタイプがほとんどです。 また、ピークメーター機能をオフにし、通常のVUメーターと切り替えて使用するタイプのものもあります。

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