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新・オーディオ入門130 『2024.1.23 ボリュームとアッテネーター』の用語解説

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

これまで書いてきた新・オーディオ入門の記事の中から解説が必要な用語を取り上げています。

● ギャングエラー
ギャングエラーとはステレオのように多チャンネルでの再生時に、チャンネル間で音量差が発生する現象です。 オーディオコンポーネントでボリュームを調整する場合、音量はゼロにできなければなりません。 そのためにはボリュームノブを最小にしたときには信号線路が抵抗体から離れた状態である必要があります。 ボリュームを徐々に絞っていき、 ゼロになる直前の位置で信号線路が抵抗体から離れるタイミングを左右のチャンネルで完全に合わせることは困難です。 一方、固定抵抗をスイッチで切り替えているアッテネーターは どんなに小音量に設定されていたとしてギャングエラーは発生しません。

● アッテネーターは段階的に
アッテネーターはノブを回転させると階段状に音量が変化しますが、その変化の度合い(ステップ)にはいくつかの種類があります。 最も多いのがdBステップです。 -6dBで1/2、-10dBで1/3、-14dB で1/5、-20dBで1/10のように、減衰量を数値で決定することができますので業務用での用途には便利なのですが、 ホームオーディオにおいてはそれ程必要な機能ではありません。 アッテネーターも最近ではヒトが自然に感じるステップであるAカーブに準拠したステップが使用されることがあります。 ムジカのパッシブアッテネーターCuculo-att2にはAカーブに準拠したステップが採用されています。

● 固定抵抗
可変抵抗に対して固定抵抗という表現をする場合があります。 可変抵抗はボリュームのように抵抗値を変化させる事ができる抵抗で、固定抵抗は常に一定の抵抗値である抵抗です。 これは機能の違いによる名称です。 固体抵抗(ソリッド抵抗)という抵抗がありますが、これはカーボン抵抗や金属皮膜抵抗といった抵抗の素材や構造による分類です。 固定抵抗とは意味が異なります。

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