新・オーディオ入門206 オーディオの単位 Ω(オーム)
Ω(オーム)は、一般にはあまり使用されませんが、電気抵抗を現す単位です。 電気抵抗は『電子回路における電流の流れにくさ』のことで、電流が流れにくいと『抵抗値が高い』、流れやすいと『抵抗値が低い』と表現されます。 交流回路では『インピーダンス』と呼ばれることもあります。これはオーディオでは比較的よく登場するポピュラーな単位です。
例えば、レコード再生用のカートリッジのインピーダンス。 この場合はカートリッジ自身の送り出しインピーダンスよりも、フォノイコライザーの入力インピーダンスが重要です。 MMカートリッジの場合は47KΩですが、MCカートリッジは数オームから数百オームまで様々。 カートリッジに合ったインピーダンスを選択しないと高音域が低下したり、音量が下がったりします。 MCカートリッジは高価ですが、多くのオーディオファンがインピーダンスを無視した組み合わせでその性能を発揮できていません。 MCカートリッジのインピーダンスはかなりデリケートです。専門家にアドバイスを求めるのが良いでしょう。
プリアンプやパワーアンプの入力インピーダンスもよく耳にします。10キロオームから100キロオーム程度です。 プリアンプ1台にパワーアンプを1台だけ接続する場合は問題ありませんが、複数の機器を1台のプリアンプに接続するような場合は注意が必要です。
スピーカーのインピーダンスもデリケートな存在です。現在では4オームが多いのですが、20年程前までは8オーム、1960年代以前の真空管時代は16オームが標準でした。 現代のパワーアンプに現代のスピーカーを接続するのであれば問題はおきませんが、真空管アンプに現代のスピーカーを接続して使用すると問題が発生することがあります。
また、小さな抵抗値には補助単位をつけて、mΩ(ミリオーム)書かれることがあります。スイッチや端子の接続時に発生する僅かなロスを現すために使用されます。 1Ω=1000mΩです。
新・オーディオ入門は『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』という方に向けて。オーディオの基礎についてエンジニアの視点からオーディオについて解説してきました。通常のブログとは別に毎日更新し、今回で新・オーディオ入門の記事数が200となりました。今後は不定期でこれまでに書いた記事の手直し等を行っていきたいと思います。これまでの記事はムジカ公式ウェブサイトでご覧いただくことができます。通常のブログの記事はこれまで同様、毎日更新していきます。