見出し画像

”生まれる時代を間違えた女”の私に、一筋の光が差し込んだ。

”生まれる時代を間違えた女”の私に、一筋の光が差し込んだ。
ジュリーこと沢田研二と、その衣装を担当していた早川タケジとの写真集がこの令和の時代に発売されたというのだ。

私と沢田研二について

私は沢田研二を愛している。
高校2年生の夏に画面の中で出会ってからというもの、現在に至るまで、そしてこれからも愛している。
一日中飲まず食わずで画面にかじりついたり、吐き気がするほど一日中同じ姿勢で熱い視線を注いだり、振り付けを真似たり歌い方を真似たり・・・

ザ・タイガースの頃から彼と共に歳を重ねてきた玄人のファンの方とネット上で繋がり、貴重な音源や資料をいただいたこともある。
お年玉もバイト代も青春も、全て音源や映像の収集にかけてきた14年だった。
”沢田研二”という字面だけでも興奮して落ち着かないのでジュリーと呼ばせていただく。

早川タケジ氏の功績

語れることは山のようにあるが、今言及すべきは早川タケジだ。
早川タケジというのは、”画家・衣装デザイナー・アートディレクターである”ということくらいしかwikiを見てもわからない。
しかし、ジュリーとの仕事を見ればその才能や力量は言うまでもないだろう。
鬼才という言葉が本当に似合う。奇抜ながらもセクシー、男らしい、そんな世界を作ってくれる。
何よりジュリーの魅力を相乗させる衣装やアートディレクション。
歌声だけでも大満足な彼を、舞台上でより輝かせたのは早川タケジだ。

早川タケジ×沢田研二の写真集は以前にも出版されていた。
2002年発売の、「Paradis,paradis-早川タケジ作品集」だ。
正確に言うと「ジュリーの写真集」ではなく、「早川タケジの作品集」なので他の歌手の写真も混ざっている。
もちろん喉から手が出るほど欲しかった。けど、発売当時の私は11歳・・・まだジュリーすらも知らなかった!!悔しい!!
今や絶版となり、オークションやらで10万円以上の値がつく世界。

光、差した。

もう諦めていた。
ジュリーの写真集「水の皮膚」、ジュリーの自叙伝「我が名は、ジュリー」を含め、今や絶版となったものばかり。
こんな時代に生まれた私などには手に入らない代物なのだ。
生まれた時代を恨むしか、私にできることはなかった。

ところが!この2022年7月25日に「JULIE by TAKEJI HAYAKAWA - 早川タケジによる沢田研二」が発売されたと言うではないか!
写真集?2冊組?アートカード集?なんか知らんけどタイトルの字面だけで購入は決まっているに決まっている。
本屋にて雑誌の広告で知った私はそのまま値段の確認も、発売元の確認もそこそこに、携帯画面の幅しかない視野で血眼でポチった。
ここまで5分。視野の狭さと手の震え、25,000円という金額にも安いとさえ感じるこの様子はいつものことである。

「JULIE by TAKEJI HAYAKAWA - 早川タケジによる沢田研二」

落ち着き燃え続ける愛

とにかく手に入りそうで安心した。
知ったのが今日だったため、もう予約分だけで完売か?発売日も過ぎて完売か?と冷や冷やしたが、無事ポチることができたのだ。
”今日知った”というのが一生の不覚だが、すでに彼に熱をあげてから14年も経つのだ。これくらい落ち着いていてもいいだろう。

落ち着いたファンながらも彼への想いはとどまらない。
いつだって語れる熱量があるものを持つことは、幸せなことだ。
志村けんの訃報を聞いた時、彼との関わりももちろん知っていた私はわんわん泣いた。
愛する昭和を作った人がひとり、またひとりと居なくなっていく。
昭和に想いを馳せる機会すらもどんどん失おうとしている。
面影も何もない世界になって、当時を何も知らない人たちで覆い尽くされる日がいつか来る。

語れることの悦び

私は生まれる時代を間違えた。
昭和に生まれたかったのだ。
昭和が全て両手放しに”良い時代”だとは言わない。
だけど、私の青春は昭和にある。
昭和と平成、そして令和を同時に生きる私は忙しい。

私の中の昭和を残さなきゃならない。
思いの丈をここに記していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?