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NHKスペシャルを見てまた嗚咽した魚民の個人的な感想と所感

NHKスペシャル 山口一郎 "うつ"と生きる ~サカナクション 復活への日々~

おそらく重ための内容だとは予測していましたが、
思った通り結構リアルな部分も含めて、ちゃんとドキュメンタリーでした。

私は10年以上のキャリアを持つガチ魚民(サカナクションのファンのこと)です。
今回の復活ツアーも全国7会場15公演中、全国7会場12公演をついていく予定です。
大人の力を使い、金にものをいわせていますとも。
遠征費を含めて、とんでもない金額になりましたが。。。

学生よ、これが大人のオタクの本気だ。
こんな大人になれよ。(誰

話が逸れましたが
そんなわけで、4月20日に幕張メッセで行われた今回のツアー初日ももちろん観に行っており、
その後に放送されたこのNHKスペシャルも
当然、録画予約したうえでリアタイ正座待機して観たわけです。

以下、感想。


一郎さんについて

思ってたよりギリギリまで調子の悪い状態だったんだな、というのが率直な感想でした。

我々の前に元気そうに出てきてくれることで、ついつい嬉しくなって「一郎さん、けっこう調子良さそう!よかった!」とか都合よく考えてしまっていることに気づいてハッとした。

もしかしたら番組の中で公開された動画のように、直前まで起き上がることができない自分をなんとか奮い立たせて、やっとの思いで出てきてくれたのかもしれない。

番組でも触れていたように、うつ病はすぐに全快とはなりにくい病気です。
おそらくこの先数年以上、やってくる大小の揺り戻しと付き合いながらの公演になるのだということを我々も理解しておいた方がよさそう。
目先のツアー中なんか当然、万全のコンディションではない可能性も高いということです。

思えばそんなの、人間なんだから当たり前なんですよね。
逆に今までが完璧すぎるくらいだったのかなと思う。

4人のメンバー(エジー、モッチ、あみちゃん、ザッキー)について

結局リハーサルに参加できなかった一郎さんをメンバーがスタジオで待ち続けた末に、今日は終わろう、となった場面。
スタジオの外で、エジーがモッチとタバコを吸いながら
「『いつまで休んでんだよ』って言いそうになる。ダメだけど」
とこぼしてた。

これが本音だよね。
4人で出来る作業もあるだろうけど、やっぱりフロントマンは一郎さん。
ほとんどただ待たされてるだけの時間が過ぎた末に、そんな感想が出てくるのは当然だと思う。

一郎さん本人がしんどいのはもちろんだけど、メンバー4人も同じくらい不安だったに違いない。
現実的な話、みんなそれぞれの生活があって、メンバーによっては家族もいて、一方でサカナクション以外に収入源はほぼ無いわけで。

そんな状態でフロントマンが不在、いつ戻るかもわからない。
ようやくバンドを再起動できそうとなっても、いざとなると一郎さんはドタキャン。

しかも本人から直接連絡が入るわけじゃないからお互いの気持ちもニュアンスも交換することはできず、メンバー各々からの一郎さんに対する行き場のない不満も励ましも、それぞれが心に飲み込むしかない。

一郎さんほどアウトプットがないから私たちは知り得ないけど、たぶん外向けに発信されてないだけで4人それぞれも相当辛い日々を過ごしてきたのだ。

ファンクラブ会員限定の会報「NF BOOK No.02」を読んで、それは確信に変わりました。

チームサカナクション、周りの人たちについて

ヤスさん(一郎さんが初めて組んだバンドのメンバーであり地元の古い友人) 。

この人がいてくれて本当に本当に良かった。
全く余計なお世話だけど、一郎さんのそばにいてくれて本当にありがとうございますと言いたい。

一郎さんの家で一緒に過ごす間、何をするでもなく、昔の同級生のこととか小樽時代のとりとめのない話をしたそうです。
その間も一郎さんはしんどい状態だったろうけど、ヤスさんと過ごした時間が回復への一助になったことは間違いないだろう。

ヤスさんから見て「サカナクションとしてやっていくと決めた時はもう重いマントをまとっていた」という表現に、昔からの深い付き合いを感じた。
だから復活ツアーが始まって一郎さんに向けた、
「これからはマントをたまには脱いだり着たりしていこう」という言葉。

マントを今すぐ脱ぎ捨てなくてもいい、少なくとも今の一郎さんにはそれはできないし、無理してそうする必要もない。
そこまでを全て理解して見守っているヤスさんの優しさと人柄が出てて。。

書いててもまた泣きそう。

サバちゃん(マネージャー)。

一郎さんとメンバーを結ぶ唯一の橋として、両者の気持ちが分かる分、またビジネス面でのバランスも考えなければいけない分、メンバーとはまた別のしんどさがあったんじゃなかろうか。

マネージャーとして、バンド外を含む関係者との連絡や調整にも心を砕いたことと思います。
いろんな対外的な苦情やプレッシャーを、見えないところでサバちゃんがたくさん引き受けて来たんじゃないかなと。

主治医、カウンセラーの先生。

当たり前っちゃ当たり前なんだけど、メンタルの病気になった時は「相性の良い主治医」の存在はとても大事。
かつ、そういう人と出会うのは意外に難しいことだとも経験から感じています。

だから良いお医者さんやカウンセラーに担当してもらってること自体、運がよかったよねと。

野村さん(レコード会社の社長)。

SAKANAQUARIUM アダプト NAKEDの中止を決断してくれてよかった。
本当に。

ファンとしては、もちろんライブツアーを開催してほしいに決まってるんですよ。
運営側としても、中止にすることで数億円の損害になるとわかっている判断を下すのは、相当エグかったはず。

でも、一郎さんの心身の健康より優先されるべきものはない。
それを理解し、社長として正しい決断をしてくれたと思います。

ヒップランドミュージックの株を買いたい。公開されてないけど。

気になったこと

番組の終盤、一郎さんがメンバーと再会する時に
「弱いところは隠さないといけないじゃないですか」
という内容のことを語っていた。

それを見た時「メンバーに対してもまだマント着てるんだな。。。」と感じました。

いちファンが外野からアレコレ言うことじゃないけど、
こうなったらもう言わせてほしい。

メンバーに対してはもうマントを脱いでいいんだって、一郎さんが心の底から感じられるといいな。
病状的に、すぐにはそんなことできないだろうなとも想像してるんだけど、
15年以上一緒に音楽やってきて、今回のことだけじゃない多くの困難・課題を乗り越えてきたんだから。

向かい合うんじゃなくて、同じ線の上に立って同じ方向を見て
お互い強がらない気持ちや意見を少しでも共有し合っていけたらいいなと願ってしまいます。

『ミュージック』に代表される、5人がラップトップで横並びするあの演出のように。

これもくそ余計なお世話ですね。

【完全復活】じゃなくていいから

何だかんだ書きましたが、そんな状況の中で
1つの公演を開始時間に始めてくれて無事に終えてくれることが
やっぱり当たり前じゃないし、どれだけ有難いことか。

今までもずっとそう思っては来ましたが、今回のツアーが始まって本っ当に身に沁みて感じます。
毎日、私の中の加藤浩次が「当たり前じゃねえからな!!!」って叫んでます。

そりゃ、全公演のチケット申し込んじゃうわけよ。

来週には仙台公演、その次は北海道。
その後も大阪、名古屋、広島、と続く予定だしもちろん楽しみすぎますが

でも【完全復活】なんて謳わなくていい。
【ちょっとずつ復活】とか
【とりあえず5割くらい復活】とか
【三歩進んで二歩下がり復活】でいいんです。

たぶんほとんどの魚民はみんな、何があってもサカナクションを忘れたりしないし
この先どんな状況になっても、待つよ。
アルバムだって6年以上待ったんだから。

こんな気持ちが、どこかで本人達に届けば幸せだなと思います。

さいごに

番組の中で出てきた、一郎さんがリハーサルに来れた時のエジーの嬉しそうな顔と
幕張1日目での一郎さんから「エジどう?今日を迎えられて」と振られたエジーの男泣きからの、
2人のハグとうなずき。

圧倒的江島推しの私にとっては、あんなもん見せられたら改めて嗚咽なんですよ。

「エジーの男泣き」は当日、現場で見てましたが
この放送を見ても初見かな?ってくらい爆泣きでした。

この気持ち、「尊い」なんて言葉では形容できません。
今回も泣き疲れちゃったよ。

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