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無期限休講 Day16「音楽家の強さ」

こんにちは。田中素子です。

私は、このご時世に不謹慎なくらい、毎晩、毎晩、至福に包まれて眠りについています。

なんと、日本が誇る世界のジャズピアニスト、小曽根真さんが、ご自宅の音響設備を整えて、高音質でFacebookライブ配信をされているのです。昨夜で3夜連続!

今、日本は休業要請や補償の問題、命か経済かというせめぎ合いの中、ギリギリの状態で営業を続けていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

たくさんの事情があると思います。選択の余地がない方も多くいらっしゃいます。

でも...でも、実は、今回の騒動で1番最初に足止めをくらっているのは、音楽家なのです。まだまだ、こんなに外出自粛要請がかかっていない時から、イベントが「自粛対象」になり、準備にかかった経費を全額負担して、それまで積み重ねてきた練習や準備の甲斐もなく、泣く泣く断念をしています。

私たち音楽教育の業界も、他の教育や習い事、アクティビティに比べて、軒並み早くクローズに向けて動いていました。私の教室も、3月上旬から、ほとんど通常開講ができていません。

それなのに、泣き言を言わずに、音楽家達は今何をしているかというと・・・、

いつも通り歌っているのです、演奏しているのです。

SNSを見ると、音楽がいつも以上に溢れています。

「自分たちは何もできないけど、家にいる時間を少しでも楽しくしてあげたい。最前線で頑張っている人たちを癒してあげたい。」

世界的な演奏家から街の音楽家まで、自分達の商売道具をフリーで公開しています。

私達も。小さな音楽教室ですが、その生徒さん達に、お休み中も音楽で楽しんでもらおう!と、1人の先生のピアノ伴奏の動画に、それぞれの先生方歌っている動画を結合させて、リレーにしたり、みんなで歌ってる様にしたりして、手探りで音楽コンテンツをつくってます。「みんな一緒にいるよ。」というメッセージを音楽にこめています。

最初の被害者だったのに、今でも補償も損失も取り戻せていないのに、それでも尚、立ち上がって、頑張れ頑張ろう、と歌い始めている多くの音楽家の方達の活動を見ると、健気で愛に溢れ、涙が出てきます。

そして、音楽家達は自分達自身も、音楽によって癒され、励まされているのです。

私は、常々、音楽教育の意義とは「音楽家」になる事だけでなく、「音楽と共にある人生」「音楽が1番の友達として身近にある人生」を、その人につくってあげる事にあると思っています。

こういう時にも幸せな気持ちなれる。こういう時にも優しい気持ちになれる。1人じゃないって思える。それだけで、強く生きていける時もあるのです。

今夜の配信を楽しみに、今日もおうちで過ごします。


田中素子



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