「卒業写真」のあなた

もうすぐ成人式のシーズンですね。私は来年成人式を迎えるのですが、振袖の予約も済んでいません。やばい。これじゃ本番スーツで出ちゃうことになりそうです。それでもいいんですけどね。

成人式に出る理由は様々だと思います。私の場合は、同級生がアイドルでしかもその子が推しなので、9割くらいファンミーティングみたいなところあります。楽しみすぎる。

しかし、大多数の皆さんは、「あいついまどうしてるかな?」とか気になったりして行くらしいですね。それで昔の思い出話なんてしちゃって、あわよくば結婚相手なんて探しちゃったりして。よくありますよね、再開した同級生がすごくかっこよくなってて、急接近!?みたいな展開。成人式経験したことないので実際あるかどうかわかりませんけど。

そして、私の場合はこのシーズンになると、私は必ず思い出す曲があります。

そう、荒井由実(現:松任谷由実)の『卒業写真』です。とりあえず卒業式の歌じゃないかとかのツッコミは置いておいてほしいです。意外と通年通して歌える曲だからさ....

やっぱり歌詞は版権の関係で載せられないので、ここから確認しに行ってください。

かなり有名な曲ですが、しっかり歌詞を確認する機会はあんまりないんじゃないでしょうか。卒業式で歌わされたとかじゃない限りは2番まできちんと知らないはず。
そしてちゃんと読んでみると、あることに気がつくでしょう。

なんてわがままなやつだ!

と。

まず、1番のサビで、「遠くから叱っててくれ」と言っています。これはかなり自意識過剰ではないかと思うのです。
そもそも、歌詞の主人公は「あなた」という人物から常に認識されていると思っています。確かに学生時代は仲が良かったのでしょう。気軽に声掛けて、馬鹿騒ぎできる仲間だったのかもしれない。でも、変わったという自覚が本人にあるなら、気が付かれてることはまず無いでしょう。
見かけが変わってないんだけど、中身が変わったことを叱って欲しいというなら、もっとエゴ。だって喋ってないんだし。遠くなんだし。常に見られていると思うな。

次に、2番のサビなのですが、「あなた」にずっと青春時代のようでいて欲しいと思っていることが明かされます。

いや、わがまますぎませんか?

自分は変わったんだけど、いつでも「あなた」を見る度に青春時代を思い出せるように変わらないで、と自分に無いものを相手にねだっている時点でエゴめっちゃありまくりだと思うのです。

ここまで主人公にボロクソ言いましたが、違う解釈もできます。それは、「あなた」も変わったというもの。
「あなた」について、主人公は見かけたという事実しか明かしていません。つまり、‎「あなた」も主人公と同じことを思っているのかもしれません。見かけたけれども、見た目が変わってなくて、でも自分は変わってしまったから、話しかけることができなくて。だとしたらロマンチックですけどね。

さらに、「遠く」というのは距離ではなくて、時間量である可能性も考えられます。主人公の心の中にいる、青春時代の「あなた」が主人公に叱るのなら、この歌詞はわがままでもなんでもない主人公になるでしょう。しかし、「叱って」ってお願いしてる時点で、自分の中に「あなた」がいる可能性は低いと思います。

おわりに

わがままな男・女がかわいいと思うのは素敵なことだと思いますし、私もこの曲が大好きです。でもこの曲を聞きながら泣いて後悔の日々を過ごすのは違うなぁと思うのです。

『卒業写真』を聞きながら、変わった自分を嘆いて、成人式で声も掛けないなんて、寂しすぎます。
今の時代、気軽に連絡を取る手段があります。なら、連絡先交換するとか、ちょっと誘ってみるとか、アクションを起こしたらいいじゃないですか。新春っていうくらいだから、1月は春です(強引)。あなたの春は今だっていいじゃん?って思います。

一生に一度の成人式ですから、ちょっとくらいロマンスを期待してもいいかもしれませんね。

レッツ!クマ囲みライフ!