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アートのーと

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小さい頃、恥ずかしげもなく語っていた夢はえかきでした。その名残か、アートに関する関心が絶えません。アートセラピーを学んだり、アートプロジェクトのボランティアをしたり。いつか"みん… もっと読む
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貝殻を整理した話

2021年、1月。 寒さと世の中の状況を理由に家に籠る毎日。 日当たりの良いお部屋は、一つの場所に留まっていても、太陽の動きによって時の流れを感じることができるのでありがたい。 昼間、外の寒さを遮断した窓辺が太陽のやわらかな温もりに包まれるとき。 ボーっと無心に没頭できる作業があると幸せです。 ある週末のこと。 この日はまり込んだ作業は、「貝殻の仕分け作業」。 海に行くごとに目に留まっては持ち帰ってきて、パラパラと我が家に集まってきた貝殻たち。 それぞれがどの海辺から来

雑誌の切り抜きが引き出す個々の表現:コラージュの力

現在、私はファシリテーターの力をつけるべく、トレーニングを受けている身です。 先日、その練習として、自分が主催者となってコラージュを用いたワークショップを開く機会を持ちました。ワークショップを実施するにあたり、ワーク内容・流れ・時間配分・話す内容・材料の配置・BGMなどなど、思いつく限りの配慮を施して準備して臨みました。 今回、参加者はアート作業に馴染みがない方を想定し、コラージュする素材は、たくさんの種類を用意せず、雑誌・チラシなどの切り抜きに限定しました。コラージュ素

シルバーデーとクリムト

大人気の様子の都美でのクリムト展。 中高生の時に目にしていた教科書に掲載されていた皆が知っている「あの絵」。 細やかな模様が散りばめられた金色に目を引きつけられ、 描かれた女性の恍惚とした表情に魅せられつつ、 その表情を放つ世界が、子どもの自分には神秘的にも感じられる距離があってそっと見入る。 私にとって、そしてもしかすると多くの人にとっても、 彼の絵は、小さい頃のそんな密やかな記憶と共に頭の片隅に仕舞われている絵なのかもしれません。 ということで、平日に時間をつくるこ

「そうか、私は文字を書く前に絵を描いていたのか。当たり前のことなのに忘れていた。」 —塩田千春展:魂がふるえる より

アートセラピーの世界を覗いてみて一年

先週末、アートセラピーの一年のコースが終了しました。 「アート」や「子ども」というキーワードになんとなく惹かれていろんな場に出向いていた繋がりから、通い始めることになった月一のアートセラピーの学校。 セラピストを目指す意志はなく、驚きとあたたかさと楽しさに満ちた場を自身が体験したとき、その裏の理論を知りたいという好奇心が受講の動機でした。 あと、ひっそりと持っている思いは、日本における「アート」の捉え方がもっと幅広いものであればいいのに、ということ。 これは、モン

デンマークのーと - 分解すること組み立てること

デンマーク王立図書館にて、偶然通り掛かり、参加させてもらったワークショップ(子供向け)。 ・生花を用意し、花を一つ選び分解する。 ・パーツごとにフェルト上で縁取りをしていく。 ・フェルトを縁取り線に沿って切る。 ・切り取ったフェルトの花びら等を、もう一枚用意したフェルト上に自ら成形していく。 ザっとこんな感じのワーク内容。 「わー生花を使ったアートワークって華やかだな~」「フェルトの2色どうしよう~」と楽しんでいたのだけど、最後に自分でフェルトの花を組み立てるステップが、