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材料学的バルザック『絶対の探求』を読む

オノレ・ド・バルザック『絶対の探求』1834年・フランス ※大学書評コンテ落第文につき拙き赦しを請願候。埋める所もなければネットの海にぶちまけ供養候。  オノレ・ド・バルザックは偉大な小説家であった。彼の小説群は長短90篇もの「人間喜劇」シリーズより成り、2000人もの登場人物をスター・システムとして再登場させる手法で、作品は網を組むように繋がる一つの大きなドラマを形成する。その結果、彼に至っては20巻以上の全集すべてが読むべき作品であり、全集でさえ収録しきれない傑作がな

    • 22年 255本

      昇天峠/ルイス・ブニュエル アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生/ブニュエル 宝石泥棒/井上梅次 その夜は忘れない/吉村公三郎 黒い雨/今村昌平 密会/中平康 黄金狂時代 /チャップリン ファントマ/ルイ・フイヤード 恋愛準決勝戦/スタンリー・ドーネン 懲役十八年/加藤泰 紫頭巾/大西秀明 東京流れ者/鈴木清順 月曜日のユカ/中平康 リボルバー/藤田敏八

      • 2022映画④

        ハリケーン/ジョン・フォード 捜索者/ジョン・フォード ナイアガラ/ヘンリー・ハサウェイ 緋色の街/フリッツ・ラング イヴの総て/マンキーウィッツ カメラマン/バスター・キートン スージーの真心/D・W・グリフィス A Beast At Bay/D・W・グリフィス デパート娘大学/サム・テイラー ローバーによる救出/C・ヘプワース 誉の名手/ジョン・フォード アパッチ砦/ジョン・フォード 肉体/ジョン・フォード My Baby/D・W・グリフィス The Musketeer

        • 7月

          新婚道中記 /レオ・マッケリー 生きるべきか死ぬべきか/エルンスト・ルビッチ パリのスキャンダル/ダグラス・サークモガンボ /ジョン・フォード 永遠の戦場 /ハワード・ホークス 四人の息子 /ジョン・フォード 戦争と母性 /ジョン・フォード 汚名 /アルフレッド・ヒッチコック 深夜の告白 /ビリー・ワイルダー 暗黒街の弾痕 /フリッツ・ラング 白熱 /ラオール・ウォルシュ 天はすべて許し給う/ダグラス・サーク 静かなる男 /ジョン・フォード 小早川家の秋 /小津安二郎 砂

        材料学的バルザック『絶対の探求』を読む

          トップガン マーヴェリックの演出

          本作のとても良かった点として、前作を観ずとも楽しめる構成であったことは高く評価したい。 最低限のフラッシュバックと説明で導入がなされる本作は、一本の映画としてよく完成している。 そんな本作の演出を、ある側面からもう一度確かめてみたい。 紙の演出本作では主人公のマーヴェリックが過去と向き合ってゆく過程の中で、演出としてスマホが用いられた。 最初にスマホが映るのは酒場のシーン。 カウンターに座るマーヴェリックは、スマホを取り出してメッセージを送る。連絡相手は嘗てのライバル・ア

          トップガン マーヴェリックの演出

          5月 60本

          天井桟敷の人々 /マルセル・カルネ 上海から来た女 /オーソン・ウェルズ お茶漬の味 /小津安二郎 早春 /小津安二郎 浮雲 /成瀬巳喜男 乱れる /成瀬巳喜男 秋津温泉 /吉田喜重 我が家の楽園 /フランク・キャプラ サボタージュ /ヒッチコック 間諜最後の日 /ヒッチコック 恋に踊る /ドロシー・アーズナー 暗くなるまで待って/テレンス・ヤング 血を吸うカメラ /マイケル・パウエル 天使のはらわた 名美 /田中登 浜辺の女 /ホン・サンス 卒業 /マイク・ニコルズ 夜の

          1~3月 60本

          PASSION /濱口竜介 陽気な中尉さん /エルンスト・ルビッチ 極楽特急 /エルンスト・ルビッチ ラヴ・パレード /エルンスト・ルビッチ 私の殺した男 /エルンスト・ルビッチ ハッピー・アワー /濱口竜介 白い恐怖 /アルフレッド・ヒッチコック 晩春 /小津安二郎 麦秋 /小津安二郎 旅立ちの時 /シドニー・ルメット ガンヒルの決斗 /ジョン・スタージェス 死の砂塵 /ラオール・ウォルシュ 拳銃王 /ヘンリー・キング 裸足の伯爵夫人 /J・L・マ

          1~3月 60本

          10〜12月 60

          偶然と想像 /濱口竜介 ドライブ・マイ・カー /濱口竜介 浮草 /小津安二郎 結婚哲学 /エルンスト・ルビッチ 天使 /エルンスト・ルビッチ 大雷雨 /ラオール・ウォルシュ 教授と美女 /ハワード・ホークス 港港に女あり /ハワード・ホークス 花咲く港 /木下惠介 或る夜ふたたび /五所平之助 ミークスカットオフ /ライカート 怒りの葡萄 /ジョン・フォード マルタ /ファスビンダー やさしい女 /ロベール・ブレッソン 第七の封印/ベルイマン 飛行士の妻 /エリック・ロメー

          10〜12月 60

          6〜9月 57本

          幕末太陽傳 /川島雄三 しとやかな獣 /川島雄三 とんかつ大将 /川島雄三 鳥 /アルフレッド・ヒッチコック ピクニック /ジャン・ルノワール ぼくの伯父さんの休暇/ジャック・タチ 嵐の孤児 /D・W・グリフィス 最後の人 /F・W・ムルナウ スピオーネ /フリッツ・ラング 三悪人 /ジョン・フォード 親密さ /濱口竜介 残菊物語 /溝口健二 按摩と女 /清水宏 二人の世界 /松尾昭典 結婚のすべて /岡本喜八 欲望 /アントニオーニ 赤い砂漠 /アントニオーニ ハズバンズ

          6〜9月 57本

          5月 48本

          寝ても覚めても /濱口竜介 雨月物語 /溝口健二 噂の女 /溝口健二 妻は告白する /増村保造 最高殊勲夫人 /増村保造 青空娘 /増村保造 夜 /アントニオーニ 情事 /アントニオーニ 空に住む /青山真治 海よりもまだ深く /是枝裕和 サウンド・オブ・ミュージック/ R・ワイズ 象は静かに座っている /フー・ボー 恋人たちは濡れた/神代辰巳 風に濡れた女/塩田明彦 好色一代男 /増村保造 女経 /吉村公三郎、市川崑、増村保造 太陽の王子 ホルスの大冒険 /高畑勲 散歩

          4月 51本

          雨 /ルイス・マイルストン その壁を砕け /中平康 怪猫有馬御殿 /荒井良平 CURE /黒沢清 性犯罪法入門 /帯盛迪彦 美人帝国 /モンタ・ベル シンデレラ ファン・アンド・ファンシーフリー 出来ごころ /小津安二郎 無法松の一生 /稲垣浩 蜃気楼の女 /クラレンス・ブラウン ベッスリアの女王 /D・W・グリフィス パーマネント野ばら/吉田大八 春江水暖 /グー・シャオガン ヤンヤン 夏の想い出 /エドワード・ヤン ふしぎの国のアリス The Scarlet Flo

          3月 50本

          チャンプ /キング・ヴィダー アルプス颪 /シュトロハイム 都会育ちの西部者 /ハル・ローチ 5時から7時までのクレオ /ヴァルダ 歩いても 歩いても /是枝裕和 天使の入江 /ジャック・ドゥミ 十二人の怒れる男/シドニー・ルメット 人間蒸発 /今村昌平 シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 1917 /サム・メンデス マリヤのお雪 /溝口健二 浪華悲歌 /溝口健二 祇園の姉妹 /溝口健二 西銀座駅前 /今村昌平 空気人形 /是枝裕和 続・座頭市物語 /森一生 誘惑 /中平康 街

          2021年2月 55本

          椿三十郎/黒澤明 洲崎パラダイス 赤信号/川島雄三 ファウスト/ F・W・ムルナウ 夜の女/モンタ・ベル 殴られる彼奴/シェストレム 謎の佳人レイチェル/ヘンリー・コスター オセロ/オーソン・ウェルズ 栄光の都/アナトール・リトヴァク 明治侠客伝 三代目襲名 /加藤泰 博奕打ち 総長賭博 /山下耕作 わんわん忠臣蔵 /白川大作 天国と地獄/黒澤明 用心棒/黒澤明 悪い奴ほどよく眠る/黒澤明 朗らかに歩め /小津安二郎 誘惑 /吉村公三郎 たそがれ酒場 /内田吐夢 風来坊探偵

          2021年2月 55本

          2021年1月 81本

          リュミエール! /ティエリー・フレモー 隠し砦の三悪人 /黒澤明 蜘蛛巣城 /黒澤明 どん底 /黒澤明 驟雨 /成瀬巳喜男 あらくれ /成瀬巳喜男 妻よ薔薇のやうに /成瀬巳喜男 おかあさん /成瀬巳喜男 北北西に進路を取れ /ヒッチコック 知りすぎた少女 /マリオ・バーヴァ 勝手にしやがれ /ゴダール わたしはロランス/グザヴィエ・ドラン M /フリッツ・ラング ドクトル・マブゼ /フリッツ・ラング 残酷ドラゴン 血斗竜門の宿/キン・フー シェルブールの雨傘/ジャック・ド

          2021年1月 81本

          2020年

          12月 44本 沈黙は金 /ルネ・クレール 市民ケーン /オーソン・ウェルズ 丹下左膳餘話 百萬兩の壺 /山中貞雄 めし /成瀬巳喜男 折鶴お千 /溝口健二 掟によって /レフ・クレショフ バルタザールどこへ行く /ブレッソン 裁かるるジャンヌ/カール・ドライヤー 雨に唄えば /ジーン・ケリー、ドーネン マンク /デヴィッド・フィンチャー ろくでなし /吉田喜重 殺人狂時代 /岡本喜八 悪女の季節 /渋谷実 バナナ /渋谷実 哀愁のサーキット /村川透 エロチックな関係

          庵野秀明とティファニーで朝食を

          庵野秀明の実写映画『式日』(2000年)は赤い傘さす少女と主人公の岩井俊二の恋愛物語である。 シネスコがメインであり、真に庵野のシネスコ構図の精練さを伺える。その一方で本編は長く、語りも多く、無駄も多いのはこの時代の邦画にありがちで、庵野の実写映画「ラブ&ポップ」(1998年)も現代からすると評価に困る。 結局「式日」の出来不出来を聞かれると見るに耐えないと答えてしまう。岩井俊二がとことんキモくて私なんかはずっと笑い転げていた次第であるが。ただこの映画で庵野秀明がやりたかった

          庵野秀明とティファニーで朝食を